マスコミで自治体の定額給付金支給の遅れがたたかれている。
一方各自治体では、支給事務のために壮絶な残業が行われていると聞くと現場で苦労している人を批判する気にはなれない。
しかしあまりにお粗末な事務フローが多い。
問題は事務処理の最前線ではなく、事務フローを設計するレベルにありそうだ。
たとえば先日自宅に「定額給付金支給決定通知」なるものが送られてきた。
支給されて1カ月以上経ってからである。そもそも忙しい時期にこのような案内を送る必要があるのかどうか疑問(定額給付金は非課税なので確定申告には不要)だが、もし案内を送るとすれば「定額給付金支給のご案内」とするべきである。
これは給付金支給に関する事務処理フローを合理的に設計していないことによる。
つまり「給付金の申請」→「支給決定」→「支給決定通知の発信」→「給付金の振込」というフローを確立しておくとこのようなお粗末なことは起こらない。
更に言うと私はメールアドレスを登録しているので電子メールで支給決定通知を送れば済む。
つまり「支給が決定される」と自動的に「申請書のメールアドレスから電子メールを作成し」「支給決定通知を発信する」というプロセスをロボットを使って確立すればよいのである。
このようなことができないのは、役所にロジスティクス(兵站・物流)の意識が欠けているからである。
事務処理フローを単純化して、さらにロボット等を使って単純化するということである。
国からの送金ということであれば、税務署の還付金送付のプロセスを事前に勉強しておくのも一つの方法だった。税務署は口座番号を記入して申告する時、通帳のコピーなど求めない。
通帳のコピーを求め、役所がチェックするから事務処理が煩雑になるのだ。
ロジスティクスの意識が欠けているのは市役所の中間管理職だけではない。首相・閣僚から知事に至るまで、ロジスティクスを軽視する傾向がある。
長年ロジスティクスを軽視し、空理空論を振り回していた結果が給付金支給のもたつきという形で露呈した訳である。
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