金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

男たちの大和を観た

2005年12月18日 | 映画

12月18日日曜日楽しみにしていた男たちの大和にワイフと出かける。映画館はいつものTジョイ・大泉だ。上映時間が一番早い午前9:35分スタートに合わせていくが結構良い席は取られている。中々人気の映画だ。館内に入ってみると年配の方が多いが小学生を連れた若い夫婦もいる。人気の若手スターを使っているだけのことはある。私は余り若手のスターに関心が高くないのだが、今回の主役の一人反町隆史については軍服が良く似合う男だと前から気に入っている。私は軍服とか制服が似合うということが日本の映画界のスターの条件ではないかと考えている。軍服・制服が似合うということではこの映画には出演していないが高倉健である。高倉健の鉄道員や八甲田山など実に良い。軍服や制服は世の定め・規律を象徴し、主人公達はその桎梏の中で精一杯人間らしく生きようと苦悩するのである。その抑制された苦悩の中に男の美しさがある・・・・これは歌舞伎等日本の伝統芸術にも繋がる大きなモチーフだろう。

男たちの大和も事実上の玉砕のための出撃という避けられぬ定めを男たちがじっと受け止め、自分達の死の意味を自分達で納得しようとするところに男達の苦悩と美しさがある。

長島 一茂演じる臼淵大尉が言う「歴史的に見て日本は敗れてしか目覚めることができない。自分達はそのための捨石になるのだ」という主旨の言葉は若いインテリの納得の仕方を示している。もっとも兵達がそれを完全に理解できたかどうか分からないが。そもそも生死の意味はそれ程簡単に割り切れ要るものでもないのだろう。特攻戦をを生き残った神尾(仲代達也)は大和における生と死の意味を60年経って初めて分かるというストーリーになっている。

ところで歴史にはモメンタム(慣性・勢い)というものがあり、理性や理屈では止まらないものなのだろう。戦略・戦術総ての面から見て大和の沖縄出撃は無意味なものであったが、大和が背負う栄光が大きいだけに大和が撃沈されることなくしては帝国海軍は幕を引くことができなかったのであろう。3千余名の戦死者は敗戦のために欠くことのできない犠牲者だったのである。歴史は貴重な血の上でしか方向転換できないものなのかもしれない。中々重たい2時間半の映画であった。

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リーダーの器量(8)~国政を担う人達を見て~

2005年12月18日 | リーダーシップ論

先週金曜日12月16日、キャピトル東急ホテルで開催された衆議院議員金子一義君を励ます会に参加する機会があった。金子議員さんとは国務大臣の経験もある岐阜4区選出のベテラン議員さんで今年9月の総選挙で最激戦区の同区を勝ち抜かれた人である。金子議員さんとはちょっとしたご縁から飛騨の温泉でご一緒にお酒を頂く機会がありその関係から今回の励ます会に参加した次第である。励ます会には安倍官房長官、谷垣財務大臣、武部幹事長、竹中総務大臣、中川政調会長等自民党・政府の大物政治家が大勢お祝いに駆けつけてこられて金子議員の政界での重みを改めて認識した。又私にとってこれだけ沢山の大物政治家を一度に目の前にすることは初めてのことだけに興味深いものがあった。

まず大物政治家の方のスピーチを聞いて印象に残る点を挙げてみよう。

  • 話が上手く(内容の良し悪しでは別にして)聞き手を惹きつける力がある
  • 声が良く通る
  • 主役(この場合金子議員)を守り立てながら自分の宣伝もする
  • 政治に対する真摯な気持ちが伝わることがある

人は見た目が9割という本が最近売れている様だが、政治家は実に見た目が10割だろう。いくら内容のある話をしても自信というかオーラのようなものが伝わらないと全くだめなはずだ。と同時にある種の純真さのようなものも伝わらないといけないが、何人かの政治家の方からは純真さのようなものを感じた。

実は私にとって金子議員さんが少人数でお酒を酌み交わしながらお話をする機会があった初めての議員さんであるが、そのフランクで気さくで偉そうぶるところのない人柄には大変魅力を感じた。それまで政治家というものは選挙の時以外は横柄・傲慢な人だろうという印象があったが金子議員さんとお会いして一概にそうとは言えないという気持ちに変わっていた。

ところでこの日の政治家の皆さんのお話の中で一番印象に残ったのは(金子議員さんのお話以外で)、中川政調会長の話である。話というの単純で「自分には孫が5人いる。この孫のために何とか日本を良い国にしたいので自分は政治をやっている」というものだ。しかし中川さんが下駄みたいな顔で真面目にいうと「やっぱりこの人達、国のことを真剣に考えてくれているのだなぁ」という気持ちになるから面白い。

ところで良い国とはどんな国か?一人当たりGDPが高い国か?平均寿命が長い国か?無論それらは良い国の要素の一つではある。しかし最も大切なことではない。最も大切なことは国民が将来に希望が持てる国であることではないだろうか?

最近の調査によれば日本の若者は他の主要国の若者に比べて将来に対する見通しが際立って悲観的であるという。これでは良い国とは言えまい。

国政を担う方々には是非若者が将来に対して明るい気持ちを持てる国を作るべく旗を振っていただきたいものである。それにしても金子議員さんのようにさわやかな人柄と金融面等に詳しい知識を持った方が国政を担っていることを実際に知る機会があったは私にとって幸せであった。それは日本の政治に対して以前よりポジティブな気持ちになったからである。

                                                         以上

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陽だまりの冬山

2005年12月17日 | 

私の登山は現在3つのパターンがある。一つは山岳部のOBやヴァリエーション好きの仲間と行く「本気の山」次が写真撮影や植物観察をメインとした一人旅の「心の山」、そして最後の山が会社の先輩・同僚達と行く「健康とお付き合いの山」である。「本気の山」では冬に厳しい岩稜を攀ったりするが、「健康とお付き合いの山」では冬は日当たりの良い尾根歩きを好む。寒気と烈風の本気の冬山も魂を震わすものがあるが、薄っすらと積もった雪を踏みながら真っ青な空の下を歩く健康の山も又良いものである。

今日はそんな陽だまりの冬山コースとして三頭山(1,528m)登山の話を紹介しよう。

17日(土曜日)の朝、会社の先輩連中4名はJRで武蔵五日市駅へ。私はマイカー日産X-trailでピックアップに向かう。9時21分過、合流。おにぎり・ペットボトルの水・お茶を積み込んで数馬方面へ。カーブの深い厳しい道を約1時間走って都民の森到着。ここが三頭山登り口だ。登り口は標高約1千m、気温は2度である。10時30分頃登山開始。三頭大滝経由のコースを取る。例年より早い雪は日向では溶けているものの日陰では数センチ残り所々氷になっている。20分程歩いて大滝着。

taki1 大滝は半分凍っている。これはオリンパスの標準ズーム(14-45mm)で撮ったものだが、フィルターを使っていないので実際より青みがかった写真になった様だ。

大滝から上の沢沿いの道は静謐だ。薄っすらと積もった雪の上を歩くと正しい歩き方を学ぶ良い訓練となる。後ろ足で蹴るような歩き方をするとテキメンに滑る。腰から体重を前に乗せていく正しい歩き方をしていると滅多矢鱈と滑るものではない。雪道が教えてくれることは沢山あるのだ。私は軽アイゼンなど着けずに雪と対話しながら歩くことをいつも薦めている。

koori

紅葉した落ち葉を取り込んだ氷が綺麗だ。冬の沢筋は彫像の宝庫である。

12時05分三頭山山頂着。雲が南に流れる富士山の雄姿が素晴らしい。ただし逆光なので良い写真にすることは難しいが、一脚を使いシグマの望遠レンズ(50-200mm)の200mm側で撮ってみる。オリンパスの一眼レフを使っているので光学400mm相当なのだがどうだろうか?

mitoufuji1

北に目を転じれば東京都最高峰の雲取山が見える。雲取山頂上何面の開けた斜面には積雪が見える。

kumotori

頂上で30分ほど休み午後12時半出発。帰路は鞘口峠へ向かう道をとり途中から森林館へダイレクトに下るルートを取る。駐車場に着いたのは午後2時前。五日市の手前で車を地酒屋野崎酒造に回し銘酒「喜正」を買って帰る。

kishou

私は野崎酒造の昔のままの佇まいや喜正の爽やかな飲み口が好きで五日市方面に来る時はできるだけ立ち寄る様にしている。この辺りは都心から近い割には自然と昔からの人の暮らしが残っている中々良い場所である。

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米国金利の天井近いか?

2005年12月14日 | 金融

ウオール・ストリート紙の記事の書き出しは連銀は投資家にちょっと早いクリスマスプレゼントを贈ったというものだ。

昨日(13日)米国連銀は13回連続してフェドファンド・レートを引き上げた。フェドファンド・レートは0.25%上昇し4.25%になった。しかし株式市場は連銀による金利引き上げがほぼ最終段階に来ていると判断し、このニュースが流れた後金利メリットを受ける金融株を中心に買われダウは55.95ポイント上昇した。

市場が連銀発表を好感した理由は、過去4年間使ってきた金融政策が超緩和(accommdative)であるという言葉を削除したことによる。Accommdativeという単語を削除することで連銀は4.25%という金利は景気を刺激する程低いものではないということを伝え景気に対して中立的なものであることを示唆した。

しかし一方設備能力の逼迫とエネルギー価格の上昇からインフレの潜在的圧力があることを示唆し調和の取れた(measured)金融政策が将来必要とも連銀は述べている。このMeasuredという言葉は2004年5月に最初に使われ連邦公開市場委員会における0.25%の金利引き上げを意味している。

従って市場の関心はグリーンスパンの最後の公開市場委員会となる1月31日の会議でフェドファンド・レートを上げるかあるいは3月のバーナンケ新議長の最初の公開市場委員会で更に金利を上げるのかというところに移っている。

米国の経済成長率は第3四半期が4.3%、また第4四半期についてはある調査機関によれば3.4%である。この成長速度は長期的な経済成長を持続させる成長率か若干それを上回るものであり、設備と労働力がフルに利用されていることを示唆している。これは企業と労働者に物価と賃金を引き上げる力を与えている。

日本の株式市場も米国株高を好感して、14日朝方は日経平均が100円程上昇する場面があった。連銀は日本の投資家にもクリスマス・ギフトを贈ってくれた訳だが、このプレゼントは長続きするだろうか?

日本でも来年には量的緩和政策の解除が予想されている。来年前半は日米の金利動向が今まで以上に株式市場に影響を与えそうだ。

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カキの燻製に挑戦

2005年12月11日 | 燻製

カキの燻製はたまごの燻製などより時間がかかるが週末に挑戦してみた。まずカキは生食用の良いものを買う。この燻製は60℃から70℃の温燻なので熱殺菌が完全ではないので生食用で行う必要がある。

カキ400gに対してカップ2杯程度のソミュール液(塩水)を用意する。ソミュール液は、塩40g、砂糖20g、ローリエ2枚、粒胡椒小さじ1で作った。レシピ集にはセージを入れる様に書いてあるが手元になかったので割愛。なおソミュール液が冷えてからカキを漬けるので先にソミュール液を準備しておくと良い。

さてよく洗ったカキを熱湯で3~4分ゆでてから、ソミュール液に付け2時間冷蔵庫に入れておく。

2時間経ったらカキをキッチンペーパーでよく拭き風通しの良い場所で2時間風で乾かす。

kaki 私は写真の様な網に入れて乾燥させている。寒いシーズンとはいえ虫等から防御するためだ。この間に電熱器を使ってスモーカーの中の温度を60℃~70℃に上げる。温度が上がったら火を付けたスモークウッドを入れて2時間スモークすると出来上がりである。

さてできた燻製を食べてみたが、少し煙り臭くてかつ塩辛い。実はソミュール液から出した後乾燥させるまで暫くの間冷蔵庫に入れておいたのだがこの間に塩が回ったのだろう。煙臭さの方は数時間置いておくと少し抜けた様であるが塩辛さはビールで薄めるしかなかった。理想の燻製を作るには、なによりも工程管理が必要なのだ。1年振りの燻製作りで今日は段取りが悪かったと言わざるを得ない。

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