親戚に子供が誕生したこともあり、たまたま子育てに関心が向いていた折、CNBCでハーバード大学の先生が「柔軟で活発な脳を持つ子供を育てる7カ条」を紹介しているという記事を読みました。
新型コロナウイルスの感染拡大、地球温暖化防止のための環境対策、世界的に広がる所得や教育の格差問題など世界は今激動の時代です。デジタルトランスフォーメーションや人工知能革命は長年かけて培ってきた技術や経験を短期間で陳腐化させる可能性があります。
これからの時代を生き抜くのに必要なものは知識や技術よりも柔軟性や積極性という気質だろうと私は思います。何故なら知識や技術は陳腐化するので環境変化に対する適応力がキーになるからです。アメリカの社会心理学者クランボルツ博士は「キャリアの8割は偶発的に決まる」と述べ、幸運を呼び込むような偶発性を生み出すことが重要だと喝破しました。そしてその偶発を呼び込む行動特性として「好奇心」「楽観性」「持続性」「柔軟性」「冒険心」が重要だと述べています。
そしてそれらの行動特性は「柔軟で活発な脳」を持つ人が備え持つものなのです。だから「柔軟で活発な脳」を持つ子供に育てることが子供の将来を決めるほど重要なことなのです。
【木工師ではなく庭師であれ】
木工師は原木から自分が欲しい姿を彫り出します。庭師は肥沃な土地を耕すことで作物の成長を助けます。両親は親の望みを子供に振りつけてバイオリンを学ばせるなど特定のことを押し付けることができます。一方子供がどの方向にでも成長できるように環境を整えることができます。前者が木工師のアプローチ、後者が庭師のアプローチです。庭師のアプローチが子供を伸ばします。
【子供に沢山話しかけ読み聞かせること】
生まれて数ヶ月の子供は言葉の意味を理解しませんが、子供の脳はそれでも言葉を利用します。これが将来の学習の基礎になる脳の基礎を作ります。子供が多くの言葉を聞けば聞くほどその効果は高まります。
【モノゴトを理由をつけて説明すること】
子供は「なぜなぜ」という質問で親を疲れさせるものですが、理由をきちんと説明して教えてあげてください。それにより子供はどうしてその行動が良いのかあるいは悪いのか予測できるようになります。
【人を褒めたり叱ったりするのではなく行動を評価しなさい】
子供が悪いことや良いことをした時、単に「悪い子」とか「良い子」というのではなく、悪い行動(たとえば妹の頭を叩くなど)や良い行動を特定して叱ったり褒めたりしなさい。
【子供に親のマネをさせなさい】
子供は親の行動を見てそれを真似して育つものです。だからオモチャの芝刈り機などを与えて庭作りの真似をさせることは良いことです。
【子供をできるだけ多くの人に接触させなさい】
異なる言語を話す人たちと日常接触のある赤ん坊は将来他の言語を学ぶ時役に立つ重要な神経回路を確保できる可能性があります。また多くの異なった顔立ちの人を見て育った子供は人種差別に反対する人に育つ可能性があります。
【主体性を称賛しなさい】
子供は親の助けを借りずに自分で色々なことをやりたがるものです。子供は間違った行動を取ることもありますが、それは自分の行動の結果を学ぶ機会です。注意深く見守りながら、子供の主体性を伸ばすことが大切です。
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かなり端折って7カ条を紹介しました。これは柔軟で活発な脳を持つ子供を育てる秘訣ということですが、会社の上司として新入社員や若い部下を育てる秘訣でもあると感じました。ビジネスパーソンとして最終段階にあるので今更という気もしますが、学ぶに遅いということはないでしょう。(笑)