テレビで放映されていたのを録画して観ました。この前観て感銘を受けた『あなたになら言える秘密のこと』のイザベル・コイシェ監督が、同作の前に作ったスペイン・カナダ合作映画。主演も同じくサラ・ポーリー。
観ていて「女性が凄い!」と、のけぞりました。
画面に登場する女性陣がどれも見事なのです。主人公アン(サラ・ポーリー)の職場の同僚(アマンダ・プラマー)が凄いし、母親(デボラ・ハリー)が凄いし、美容師(マリア・デ・メディロス)が凄いし、隣に引っ越してくるアン(レオノール・ワトリング)が凄い。皆、生きている迫力を感じさせます。あ、忘れてはいけない、主人公の娘たちベニー&バッツィー(6歳と3歳)も凄い。
それに比べると男性陣は、夫も、恋人になる測量技師も、父親も、医師も、優しいけれど、どこか頼りない。
こういう男女の差は、監督の人間観なのでしょうかねぇ。
演出が見事です。会話に説得力がある。脚本をなぞっているのではなく、言葉を胸の奥からしぼりだす感じ。
ただ、映画としての魅力は『あなたになら言える……』が数段、上だと思いました。主人公の考え方や行動に対する共感の差かな。
幸重さんイチ推しのレオノール・ワトリングはチャーミングですね。彼女が主演した『トーク・トゥ・ハー』も観ているはずなのに、はっきり覚えてなかったのは、私が俳優さんをよく見分けられないからか(特に女優さんが苦手)。
いや、きちんとは観てないのかな。『トーク・トゥ……』も、しっかり観なくては。