吾妻ひでおさんの『失踪日記2 アル中病棟』(イースト・プレス)を読んでいて、個人的にとても楽しいのは、見知った風景が克明に描写されていること。
入院されたA病院(作中1個所だけ、地図に「H病院」となっています)は、我が家から野川を1.5キロほどさかのぼったところ。野川の河川敷や、サイクリングロードを通って、しょっちゅう出かけるあたりにです。
なので、野川沿いの風景や野川公園の様子など、読んでいて「おお! ここ、ここ!」と思ってしまうのです。カメラで取材なさったのか、とても正確に描かれています。
入院されたA病院(作中1個所だけ、地図に「H病院」となっています)は、我が家から野川を1.5キロほどさかのぼったところ。野川の河川敷や、サイクリングロードを通って、しょっちゅう出かけるあたりにです。
なので、野川沿いの風景や野川公園の様子など、読んでいて「おお! ここ、ここ!」と思ってしまうのです。カメラで取材なさったのか、とても正確に描かれています。
ところが、1個所だけ「あれ、これはどこ?」と思う場所がありました。126ページと310ページ(両者は同じ場所)に描かれた、傾斜のきつい階段。
ここは通りかかった覚えがありません。
しかし、だいたいの見当はつくので、今日、出かけてみました。
あったのは、病院のすぐ上手。東大馬術部の厩舎を過ぎて、駐車場裏にまわったところのハケに設けられた階段でした。いつも野川沿いを通るので、この道には入ったことがなかったのです。
マンガの描写ではすごくきつそうに見えますが、カメラで撮ると、こんなもの。カメラを地面に近づけて、できるだけあおった絵にしてみたのですが……。
あらためて、マンガ(というか、手描きの絵)の描写力を感じます。
マンガでは吾妻さんが息も絶え絶えで登っていますね。実際、かなりきつい。段数は103。
近所の方でしょうか、トレーニングスタイルの高齢女性が何度も上ったり、下ったりを繰り返しているのを眺め、感心したものです。
階段最上部に「さわのだいほどうきょう」というプレートが嵌まっていました。漢字で書くと「沢の台歩道橋」でしょうか。「橋」というよりは、階段そのものなんだけどなあ。
階段の上は、右手が天文台の広い敷地。左手に中学校があります。間の道はコンクリート製のブロックが敷き詰められた遊歩道になっていて、見晴らしも抜群。ちょっとしたシークレットスポットといった趣きがあります。