岩谷時子さんが亡くなられ、川上哲治さんが亡くなられ、どんどん私の昭和が遠ざかってゆく気がします。
- 旅人よ 昭和は遠くなりにけり
- 赤バット 昭和は遠くなりにけり
岩谷さんはお気に入りの作詞家のひとりでした。
小中高の時代に好きだった作詞家といえば、青島幸男、岩谷時子、永六輔(50音順)の3人でしょう。その後はフォークやニューミュージック……シンガーソングライターの時代が来ます。
幼い頃、聞いていた歌謡曲の作詞家は、丘灯至夫、西条八十、佐伯孝夫、藤浦洸といった戦前からの人たち。見事な歌詞なんだけど、古色蒼然たるところがあります。そこへ浜口庫之助という異色の人が登場し、さらに漣健児というユニークな訳詞家が出ました。
岩谷さんは訳詞家として出発したのですが、漣さんのポップス路線とは違い、シャンソンだったので、もっと大人っぽいムードが。
ザ・ピーナッツに最初に提供した「ふりむかないで」も、可愛くて、色っぽい。「ウナ・セラ・ディ東京」は成熟した都会のムード。
私が岩谷さんの名を心に刻んだのは、岸洋子のヒット曲「夜明けのうた」。中学1年の時だったと思います。歌と自分の想いが共振する気がしたのは初めてだった。
女性の作詞家としては草分け?
その後、湯川れいこ、安井かずみ、阿木燿子らが出る道筋をつくったのではないでしょうか。
数々の素晴らしい歌をありがとうございました。ご冥福をお祈りします。