惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

岩谷時子さん

2013-10-30 21:47:40 | アート・文化

 岩谷時子さんが亡くなられ、川上哲治さんが亡くなられ、どんどん私の昭和が遠ざかってゆく気がします。

旅人よ 昭和は遠くなりにけり
赤バット 昭和は遠くなりにけり

 岩谷さんはお気に入りの作詞家のひとりでした。
 小中高の時代に好きだった作詞家といえば、青島幸男、岩谷時子、永六輔(50音順)の3人でしょう。その後はフォークやニューミュージック……シンガーソングライターの時代が来ます。

 幼い頃、聞いていた歌謡曲の作詞家は、丘灯至夫、西条八十、佐伯孝夫、藤浦洸といった戦前からの人たち。見事な歌詞なんだけど、古色蒼然たるところがあります。そこへ浜口庫之助という異色の人が登場し、さらに漣健児というユニークな訳詞家が出ました。

 岩谷さんは訳詞家として出発したのですが、漣さんのポップス路線とは違い、シャンソンだったので、もっと大人っぽいムードが。
 ザ・ピーナッツに最初に提供した「ふりむかないで」も、可愛くて、色っぽい。「ウナ・セラ・ディ東京」は成熟した都会のムード。
 私が岩谷さんの名を心に刻んだのは、岸洋子のヒット曲「夜明けのうた」。中学1年の時だったと思います。歌と自分の想いが共振する気がしたのは初めてだった。

 女性の作詞家としては草分け?
 その後、湯川れいこ、安井かずみ、阿木燿子らが出る道筋をつくったのではないでしょうか。
 数々の素晴らしい歌をありがとうございました。ご冥福をお祈りします。