夕方、いつもより早めに家を出て多摩川サイクリングロードへ。今日は百草園の坂を試してみるつもりなのです。
府中四谷橋付属の歩道のうち上流側を通って多摩川南岸へ渡り、淺川の岸を少しだけさかのぼる。左へ入って、京王線の踏切を渡るとすぐ先が川崎街道。信号で横断するとすぐに坂のとっつきでした。
ここまでは司令部から詳しい地図が届いているのでアプローチに戸惑うこともない。
実は「やめておけ」と指令解除された後、「なんとかなるかもしれない」と再度挑戦への許可が下りたのであります。クロスバイクのフロントギアは3枚あるので21段変速。いちばん軽いギアにすると大概の坂は大丈夫だということを考慮してくれたらしい。
さて、百草園通りの坂。
最初は我が家の近所にあるカニ山の坂ぐらい。「このままならなんてことはない」と思っていたら、途中でガクンときつくなった。
「うへえ~」と思いながら、それでも軽いギアに助けられてぐいぐいと登る。しかし、坂の最後のあたりはさらにきつくなっているのだった。ちょっと背を反らすと、バック転して後ろへ転げ落ちそうなほど。
「グググ……」噛み締める奥歯が砕けそう。心臓がもつだろうか。こけたら大変だ。しかし、足はなんとか動いている。
必死で漕ぎ上がりました。
このあたりに住む人は、毎日こんな坂を上り下りしているのでしょうか。歩いてもおおごとですよ。ママチャリを押して上がろうとしても、押し上げる重さに負けたらもろともに下まで転げ落ちてしまうかもしれない。とても生活道とは思えません。
登りきったあたりでは意識が朦朧としていて、自分が何をしでかしてしまったのかさだかではなくなっておりました。
指令書では、坂の上の八幡下公園の手前を左折して下る、とありましたが、百草園通りの先はまだ緩い傾斜の上りが続いている。どうせならもう少し行って、いちばん高いところに立ちたいと思い、そのまま南へ。
神社の先を右へ入る登り道があったので走ってゆくと、林の中で道は突然狭くなり山道ふうに。「お、これは……」と期待したのですが、10メートルも行くとまた広くなって斜面南側の団地に出ました。西武百草園団地らしい。
これが団地の公園から撮った登攀の証拠写真。正面に見える高いビルは多摩センター界隈でしょうか。曇天の夕暮れはわびしいもんです。
証拠写真を撮った後、八幡下公園まで戻って尾根から谷へと至る急坂をゆっくり下る。突き当たりは野猿街道。左へとり、青信号に導かれるまま川崎街道へ入って走るうちに京王線の下をくぐる路地が目に入りました。こういう道には弱い。誘惑に克てずにふらふらとその道へ漕ぎいれ、聖蹟のザ・スクエア裏をまわって多摩川の土手下へ。関戸橋まで戻って、来た道を帰りました。
全行程1時間50分ほど。あんな坂はもうしばらく登りたくありません。