半月ほど余り新聞やテレビを見ずにネパールの山奥を歩いていると市場の動きとズレが出ていてまだあまり相場関係のニュースを見る気がしない。幸いなことに株高傾向なのでボーとしていても今のところ良さそうなので助かる。
足慣らしのためにピュー・リサーチ・センターのHPを見ていたら、専門家がランク付けした来年の10大トレンドという記事がでていた。以下引用する。
1.中東と北アフリカにおける社会的緊張の高まり
2.所得格差の拡大
3.持続する構造的な失業
4.高まるサイバースペース(コンピューター空間)への脅威
5.地球温暖化問題への不対応
6.経済政策に対する信頼の低下
7.指導層の価値観の欠如
8.アジアにおける中間層の拡大
9.巨大都市圏の重要性の伸張
10.オンライン上の誤報の拡大
幾つかの点について感じるところを述べたい。
まず「持続する構造的な失業」の問題。失業は北米や欧州では人々の最大の関心事だが、それ以外の地域でも大きな問題だ。IT技術の発展と経済活動のグローバル化に失業の責任があるという意見もあるが、IT技術の発展により一つの作業プロセスや一つの産業が衰退しても、新しい産業が起きれば雇用需要は発生する。
例えば米国では失業率は全体では8.5%(ピューの記事の数字を採用した。現在はもう少し低い)だがITセクターについて見ると3.5%に過ぎない。また欧州では失業率は高止まりしているが、ヘルスケア部門では人材不足に陥っている。
日本についてもヘルスケア部門が人材不足なのはご承知のとおり。この産業別による労働需給の是正にどう取り組んでいくか?というのが各国の政治家や事業家が考えるべき大きな課題だ。
だが各国の指導層は「価値観が欠如している」と指摘されている。多少指導層に同情的な意見を述べると、色々な国において価値観の多様化が起きている。たとえば「尊厳死を認めるかどうか」という問題を世論調査すれば各国でさまざまな意見がでるはずだ。
色々なモノゴトに対する情報はサイバー空間に溢れ、良く言えば誰もが簡単にちょっとした専門家になることができる。その一方国として社会として一つの問題について意見を統一することが難しくなっている。
そのサイバー上のツイッターなどには誤報が流れそれが大きな社会的混乱を引き起こす可能性を秘めている。
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好き勝手なことをいうと、年に何日か何週間か「情報断食」を行って、自分でものを考える修行をすることも悪くはないと思った。それによりサイバー空間を飛び交う色々な情報の中から本当に自分に必要なもの、正しいと思うものを選択する目を養う必要があるのではないか?と感じた次第だ。