昨日(7月25日)の朝鮮日報は、大韓貿易投資振興公社が最近国会議員によれば今年1-5月のロシアの北朝鮮向け輸出が倍増していることが分かった、と報じている。
輸出品目の9割は石炭と石油だった。
またCNBCによると、ロシアは約5万人の北朝鮮労働者を受入て、林業や建設業で働かせている。これは北朝鮮の外貨獲得に貢献している。
専門家の見方によると、ロシアはウクライナやシリア等紛争地帯における対米交渉を有利に進めるため、北朝鮮をレバレッジ(梃子)に使おうとしている可能性が高いという。
これは前から言われていることだが、北朝鮮のミサイル技術はソビエト連邦崩壊後北朝鮮に行ったミサイル技術者により大きく成長している。ロシアと北朝鮮の繋がりは深い。
目下のところ中国が北朝鮮の最大の貿易パートナーだが、中国政府には北朝鮮問題を再考しようという兆しが見える。ロイターは先月末中国石油天然気集団が北朝鮮への石油輸出を見送ったため、北朝鮮でガソリン価格が5割上昇したと報じている。
国連制裁で軍事目的に使用される石油の輸出は禁じられているが、民生向けの石油輸出は対象外となっている。ただし北朝鮮は石油からミサイル燃料を作り出す技術を持っていると考えられるので、いわば尻抜けになっている訳だ。
中国が北朝鮮に対する経済制裁を強める方向に動いたとしても、ロシアがその穴埋めをするのであれば、経済制裁もまた尻抜けの状態である。
日本の対ロシア外交もこのあたりを頭にいれて取り組む必要があるだろう。