最近顧問先で外国企業と仕事をしようという話が持ち上がり、人手不足から簡単な翻訳を依頼されることが増えた。
そこで久しぶりにグーグルの翻訳機能を試してみることにした。
まずグーグルによる英文和訳の実例を示してみよう。
(英文)
We proudly celebrated the opening of our 100th golf course just last year and our courses literally span the globe, covering six continents and 34 countries.
(グーグル訳)
ちょうど昨年、私たちの100番目のゴルフコースの開会を誇らしげに称賛し、コースは文字通り世界中に広がり、6大陸と34カ国をカバーしています。
後半のour courses以下は手直しの必要がない位よくできていると思うが、前半はかろうじて意味が通じるものの日本語としてぎこちない。
私はこの文章を「我々は昨年100番目のゴルフ場を開くことができたことを誇らしく思います。我々のコースは文字通り、世界に広がり、6大大陸34か国をカバーしています。」と訳した。
Proudly celebratedは「誇りをもって祝った」という意味だが、日本の感覚では自画自賛するのは、謙虚さに欠けると思われるので、少しマイルドな表現にした。
以上のようなことから、次のように考えられる。
- 例文後半のように、事実の記述に関する部分ではグーグル翻訳はかなり使えるレベルに達している。
- 日本人の感覚と英米人の感覚に微妙な差があるような、文章は少し手を入れる必要がある。
なお日本人の書いたスピーチ原稿のグーグル英訳も試みたが、こちらは余り機能しなかった。それはグーグル翻訳の問題ではなく、むしろ日本語の方に問題があると考えられる。
具体的にいうと
- 主語、目的語が明示されていない。
- 文章が長すぎる。
- 文章の論旨が一貫していない。
ということが翻訳対象としたスピーチ原稿で散見されたことだ。
英訳されることを前提とした日本語は以上の点に気をつけて作成するべきだろう。つまりある程度翻訳される英文を頭に置きながら、日本語で文章を書くのである。恐らくそうすることで、かなりグーグル翻訳の力を引き出すことができるのではないか?と私は考えている。
グーグルの翻訳力は見くびったものではない。「男子三日会わざれば刮目せよ」という言葉がある。三日でグーグル翻訳が飛躍的に改善するとは思わないが、半年位でかなり良くなる可能性はあると思う。