新年に何か目標を立てることは洋の東西を問わないようだ。新年の目標のことを英語ではYow year's resolutionという。そのresolutionの実現に向けて、「何を一日の中の何時やるか?」が大事なんだという記事がWSJに出ていた。
一例を紹介しよう。
例えば体重を減らす目的で運動をするならば、朝飯前が良い。朝食前は前夜から8時間ほど食べていないので、血糖値が下がっている。運動をするために体は血糖を必要とするので、体の中の脂肪が消費される。一方食後の運動だと食べた食事のエネルギーを使うので、脂肪燃焼量が少ない訳だ。多くの事例で朝食前の運動と食後の運動では前者の方が2割以上脂肪を燃やすという。
約8割の人の体と脳の働きは、朝から正午ごろにピークに達し、その後低下し、夕方にかけてリバウンドする傾向があるという専門家達の研究成果を記事は紹介する。仕事や活動をこのパターンに合わせると効率が上がる訳だ。
頭を使う仕事は午前中に片付け、昼過ぎの落ち込む時間帯(実際眠たくなる時間!)はあまり頭を使わない仕事をするという具合に。
記事のポイントは「朝の時間の活用」と「午後は1時間に5分ほど軽い散歩のような休憩を取り気分転換を図る」ということだった。
山登りについて考えると「2時頃に事故が集中する」という現象がある。2時頃というのは高いピークから下降していることが多い。
岩場など急斜面では登りより降りの方が転落しやすいから事故が発生しやすい。また朝は元気だが、午後2時頃には疲労が蓄積しているので、足がもつれることも多いから事故が増えるのだ。
ただWSJの記事を読むと「ワークアウトをする場合は午後の遅い時間に運動をする場合の方が怪我が少ない」と述べていた。体温が上昇し体が活性化しているからである。
一見すると「登山で2時頃事故が集中する」という現象と「午後の遅い時間に運動する方が怪我が少ない」という経験則は矛盾するように見える。しかしキーポイントは体温のレベルなのだ。体温低下は様々な事故の原因になる。高い山の登山では高所への泰山時間が長くなると体が冷えてくることが多い。特に寒い時期の登山では顕著だ。だから午後2時頃には体温が低下傾向にあると考えると二つの話は整合する。
やや話が細かくなったが、一日の中である時間帯に何をやる、あるいは何をやらない(登山では魔の2時には危険地帯を通らない、あるいはそのリスクを十分認識するなど)ことを意識するだけで年間目標の到達度合いが変わってくる、更にはリスクの度合いまで変わる可能性があるというのが、記事に多少の自説を加えた私の結論である。