昨夜(3月8日)は飲み会で遅く帰ってからスマートフォンで米国株式市場を見た。2月の非農業部門雇用者増2万人という数字はアナリストの事前予想18万人よりはるかに低いので株式市場は売り先行でダウは200ポイントほど下げていた。
ところが朝起きてみると、ダウの引け値は前日比約23ポイント(0.09%)ダウンに留まっていた。
これは2月の雇用増は2万人に留まったが、失業率が1月の4.0%から3.8%に低下したことや時間給の上昇率が前年比3.4%と高いレベルだったことから、雇用市場は引き続き堅調なので非農業部門雇用者数だけを見て悲観的になり過ぎることはないという判断が働き、引けにかけて株価が回復したことにある。
業種別の雇用者数を見ると季節性の高い建設部門では1月に53千人雇用増があり、2月はその反動で31千人の減となっているなど、これまで堅調だった雇用の反動が出た面もあるようだ。
昨日は米国株は2009年3月9日に金融危機で底をつけてから10年目にあたる。この10年の間S&P500 は300%上昇した。この間の世界株式指数の上昇は100%だったので、米国株のアウトパフォームぶりは顕著だった。
この間米国株を牽引したのはアマゾン、アップル、アルファベットなどIT関連銘柄だった。
だが相場にはやがて転換点がくる。また止めどなく成長する会社というのもありえない。2月の雇用統計が相場の転換点になるのかどうかは分からないが、強弱双方のシグナルを送った雇用統計は足元を見直す機会を提供した。