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金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

荒れ相場を支えたETFとパッシブファンド

2019年03月20日 | 投資

昨日(3月19日)の米国市場はナスダックは上昇したものの、ダウ・S&P500は小幅下落。朝方の勢いは続かず、FOMCの結果や米中貿易交渉を見たいという見送り気分が強かったようだ。どんな強気相場でも足踏みをすることはある。まして世界的な景気減速懸念の中で高値を追っている米国株に気迷いがでることは当然である。

したがって相場に関する注目すべき記事も乏しく、読んだのはPassive Investing gains even in turbulent times(荒れ相場でも伸びたパッシブ運用)という埋め草的記事だった。

記事によると上記グラフのように昨年秋から年末にかけての荒れ相場でアクティブファンドは大きく残高を減らしたが、ETFとパッシブファンドには資金流入が続いた。

ETFについては「激しい売り相場向きではなく上昇相場向き」という通念があるが、実際には昨年秋以降の荒れ相場でもその優位性が明らかになった。その一つの理由はETF(たとえばTOPIX連動ETF)の方がその中に入っている個別銘柄より流動性が高く売りやすいというものだった。

平均的な運用成績も実はパッシブ運用の方がアクティブ運用よりも高い。2018年にパッシブ(市場平均)を上回るアクティブファンドは38%に過ぎなかった。

ところが日本では個人投資家の間でETFの人気は高くない。JPXのETF受益者情報調査結果(2018年7月)によると約35兆円のETFの内個人が保有しているのは僅か2.7%の9,486億円だった。しかも個人のETF保有残高比率は前年の3.9%から減少している。

日本ではETFは日銀が買うものと思われているのかもしれない。あるいは個人に資産運用を勧める証券会社が口銭の少ないETF(株式委託手数料しか入らない)を推奨せず、儲けが大きいアクティブファンドなどを推奨していることが大きな原因かもしれない。

私自身はETFやパッシブファンドを資産運用の本筋として著書(「インフレ時代の人生設計術(Kindle版)」でも推奨している。

なお私の実際の資産運用は現在個別銘柄残高がパッシブ残高を上回っている。これは個別銘柄の中のIT関連などGrowth銘柄の上昇幅が市場平均を大きくアウトパフォームしたことが大きい。これは偶々相場観が当たったラッキーに過ぎず、本来はパッシブ・アクティブ比率を当初決めた比率にリバランスする必要がある。

やや個人的な話を書いてしまったが、ETFやパッシブ運用が個人の資産運用のコアになるかどうかが「貯蓄から投資へ」の決め手になるはずなのだが、声高な掛け声は聞こえてこない。その理由は繰り返しになるがETFでは証券会社が儲からないことにある。

 

 

 

 

 

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