先週イランのソレイマニ革命防衛隊司令官の暗殺を指示したトランプ大統領は、イラン側の報復宣言に対し、もしイランが報復措置にでるならば米国はイランの52の拠点を攻撃するだろうと牽制した。
トランプ大統領は「イランはアメリカ人を殺し、拷問し、爆弾を仕掛けアメリカ人を吹き飛ばすことが許されている。我々は彼等の文化遺産に触れることができないのだろうか?そんなことはない」と述べた。
しかし文化財への攻撃は一般には戦争犯罪とみなされている。
1954年のハーグ条約にて戦争など武力紛争の際に文化遺産を保護する措置が定められているからだ。
このため海外のSNSではIranianCulturalsites(イランの文化遺産)にハッシュタグ#を付けた投稿が目立っているそうだ。
ソレイマニ暗殺で米・イラン間の戦争リスクを懸念して先週末の米国株は大きく値を下げた。
そして今日(6日)の日本株は米国株の倍以上の下落。金曜日のダウが233ポイント約0.8%下げたのに対し、今日の日経平均は451ポイント1.9%下落した。
さて米・イラン間の紛争が激化するのか?言葉の応酬に留まり着地点が模索されるのか?
それを現時点で判断するのは早計過ぎるだろう。ただ私はトランプ大統領がイランの文化遺産を攻撃する可能性を示唆した時、彼をつまらない、教養のない人物だなと思った。
イランにある古代遺跡は現在のイラン人だけのものでなく、アメリカ人を含む世界中の人々の共有財産であるはずだ。そして今日の財産であるばかりでなく、未来に伝えるべき財産でもあるはずだ。
ソレイマニ暗殺が長期的な和平に繋がるのか、あるいは出口の見えない紛争の引き金を引いたのか?
これまた見極めるにはもう少し時間がかかりそうだ。不確実性の中に新しい年が始まった。