金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

コロナウイルスは絶好の買い場を提供するか?

2020年01月28日 | 投資

中国武漢発のコロナウイルス騒動で昨日(1月27日)はアジア株に続き米国株も大きく値を下げた。ダウは454ポイント(1.57%)下落。大方の銘柄は売られたが、手持ち銘柄の中ではジョンソンアンドジョンソンが0.3%上昇した。同社がウイルス特効薬の開発に貢献するのでは?という思惑が働いたのだろう。

コロナウイルスが中国の経済活動を低下させ、その影響は世界規模なので世界の株価が下落しているというのが現状だが、これは悪いことだらけなのだろうか?

仮にコロナウイルスの影響が思ったほど大きくなく、経済活動は比較的早い時期に正常化すると判断される場合は株価は反発すると私は考えている。特に米国株の場合、割高感はあるもののハイテク銘柄を中心に上昇余地は大きいと私は見ている。

実は私は今月初めの米・イランの緊張が高まる中、株価が下落することを予想して米国株の一部を売却し、キャッシュポジションを高めていた。ところが緊張は緩和に向かい株価の大きな下落にはつながらなかった。

そんな中で今回のコロナウイルス騒動が勃発した。もし米国株が大きく下落すれば押し目を買おうというのが私の目先の戦術である。だが「押し目待ちに押し目なし」という格言がありそんな買い場はこないかもしれない。

もっとも株価が下がったところが買い時なのか、それとももっと大きな下げ相場のプレリュードなのかは時が経たないと分からない。

これから予想される市場の振幅をbuy on dipのチャンスと考える人は多いのではないだろうか?もしそうであれば相場を底支えする力はかなり強そうである。

 

 

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「平穏死」の石飛先生のお話を聞いて

2020年01月28日 | ライフプランニングファイル

昨日(1月27日)日本相続学会のオープンセミナーで「人生劇場ー穏やかな幕引きをー」老人ホーム常勤医が語る平穏死のすすめ(講師 石飛幸三)、というお話を聞きました。不勉強にして知らなかったのですが石飛先生の「平穏死のすすめ」はベストセラーになり、NHKスペシャル(老衰死)にも出演され大きな反響を呼んだということです。

石飛先生のお考えは「病気は医療で治しなさい。でも老衰は自然の摂理で医療で治すことはできないから受け入れなさい。単なる延命を図るのではなく命の終わりは自然に任せて平穏な死をお迎えなさい」というものです。

この考え方は曹洞宗の開祖・道元禅師の教えとまったく同じです。53歳になった道元禅師は背中の瘍(できもの)に苦しみました。心配した大檀家の波多野義重達は道元に京都に行き名医の治療を受けることを勧めました。道元はその意見を聞き入れ永平寺を出て京都に行きましたが、薬石功を奏せず臨終を迎えます。

禅師は「病を一生懸命治そうとせず命を粗末にするのは仏の教えに背くものである。しかし人には寿命というものがある。これは私の寿命である。寿命にもかかわらず命に執着するのも仏の教えに背くものである」と弟子や檀家の人々を諭しました。

しかし命の終わりを自然に任せるというのは言うは易くして行うは難いことかもしれないと私は考えています。何故なら自然に任せる境地に至るには、人生に満足していることが必要だからです。もう十分生きたから後は自然に任せることができるのです。

この難しさを救ってくれるのが宗教です。たとえばインド人やネパール人が信じるヒンドゥ教では「人を含めてあらゆる生物は死ぬと肉体は滅びるが魂は何かに生まれ変わるので不滅である」という輪廻転生を根本教義としています。だからヒンドゥ教徒は死を必要以上に恐れません(もっともネパールで火葬場を見ると嘆き悲しむ人がいます。たとえ霊魂は不滅だとしても、親しい家族との永久の別れが悲しくない訳はありませんから)

ヒンドゥ教のような濃い宗教を信じてる人が少ない日本では自分で「命の意味」を見つけ出さないといけないので平穏な死を迎えるというのは楽なことではないのかもしれません。

因みに84歳の石飛先生は今でもスキーを楽しんでおられます。現役医師として多くの人の看取りに関わり、余暇はスキーで過ごすという充実した生活を送っておられるから平穏死という境地に到達されたのかもしれませんね。

 

 

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