私のライフプランニングノート作りは、確定申告の準備時にアカウント関係のスプレッドシート化が進んだので「事務的に手間がかかる」部分は峠を越えたと言える。
一方これから「生きていく意味」とか「自分が最後までこだわるもの」といった個人的な価値観の領域を整理していくことになる。ライフプランイングノートでは「リビングウイル」(終末期医療に関する意思表明書)が重要なパーツの一つだが「リビングウイル」を作成するには自分の生きていく上で大切にしているものを確認しておく必要があるだろう。
確認方法には哲学的アプローチや宗教的アプローチもあるだろうが、ここでは厚生労働省が「人生会議」という愛称で公開しているAdvance Care Planningのアプローチを採用して、それをマズローの欲求5段階説の切り口で整理するというアプローチを考えてみた。
人生会議を提唱するサイトでは「もし生きる時間が限られているとしたらあなたにとって大切なことは何ですか?」と問いかけ、例示的に12の答を用意している。
答の一例は「家族や友人のそばにいること」「できる限りの医療が受けられること」などだ。
この答をマインドマップに落とし込んでものを考えるスタート点にしたのが下の図だ。
ここではマインドマップの「1ブランチ1ワード」原則に戻って例示の文章を単語に分解し、かつ関連性のありそうな単語をまとめてみた。
そうしている内に色々な欲求をマズローの欲求5段階に分解してみると分かりやすいのではないか?という考えに至った。
下のXmind図が私が整理した「あなたにとって大切なこと」のマインドマップによる整理である。
私の整理では「好きなことができる」と(そのための)「ひとりの時間が保てる」が一番高次元の「自己実現欲求」になったが「仕事を続ける」を「自己実現欲求」に入れる人もいると思う。この辺りは正解は一つではなく、人の数だけあると私は思う。
また私は「できる限りの医療を受ける」や「少しでも長く生きる」を「苦痛回避」の生理的欲求や自己実現の手段と捉えた。
これについても「少しでも長く生きること自体が目的」と考える人がいるかもしれない。その点についてここで議論する積もりはない。
私が提唱したいことは、マインドマップのように全脳的な思考を促進する手法を使って「自分にとって大切なこと」を可視化して、それを家族や関係者と共有することである。
「自分にとって大切なこと」が具体化してくると、リビングウイルを作成することができ、リビングウイルが明確になると、具体的なアドバンス・ケア・プランイングを作成することができる。
まずは「自分にとって大切なこと」を棚卸することがライフプランイングのポイントである。