今朝(1月11日)の読売新聞に「緊急事態『7割目標』テレワーク 四苦八苦」という記事がでていた。
記事によると民間調査会社が11月に実施した調査ではテレワーク実施率は24.7%でこれを70%に持っていくのはかなりハードルが高いということだ。
日本ではテレワークの実施により生産性が下がるという意見が多いが、欧米ではむしろ生産性が上がるという意見が多い。
日本のテレワークの問題を解決するには、欧米との違いがどこから来るのか?ということを考えるあたりから始める必要がある。
その違いについては私は最大の違いは欧米では個々の従業員の「職務内容が明確」なのに較べ、日本では従業員が「その都度上司の指示で動く」ように設計されている点にあると考えている。大雑把にいうと前者は「ジョブ型雇用」であり後者は「メンバーシップ型雇用」ということができる。
「ジョブ型雇用」では「定められた範囲で仕事を任せる」ことが前提となっているが「メンバーシップ型」では「上司がコントロールタワーになりその都度仕事を配分する」運用が前提となる。もっともこれは程度の問題で「メンバーシップ型でもかなり任せる運用を行っているケースもある。
ただ本質的に「メンバーシップ型雇用を前提とする日本ではジョブ型雇用を前提とする欧米型特にそれが顕著な米国型に較べてテレワークは導入し難い面がある」ということを理解する必要がある。
従って日本でテレワークを定着させるには「職務記述書」Job Descriptionを整備し、一人一人が独立戦士として働ける体制を構築する必要があるのだが、それには時間がかかる。この点についてはいずれ「長期編」で述べてみたい。
でもテレワーク比率の引き上げは喫緊の課題。それに対する対策はないのだろうか?
答は「あり」だ。その一例を紹介しよう。
一つは「あいまいワードを避けて指示を明確にする」ということだ。
例えば上司が「状況が不透明だから今回はちょっと多めに発注しておいてください」という指示を出したとする。この場合「ちょっと多め」がありまいなのだ。仮に上司が5%をイメージし、部下は1%をイメージして発注すれば、部下は上司の期待値に反する行動をしたと小言を言われかねない。
遭難等困難に面した時は特に「明確な指示」が必要だ。なぜなら「不明確な指示」は聞き手に多様な解釈の余地を生み、それが大きな齟齬につながる可能性があるからだ。コロナ禍も未経験な困難な事態であり、まさに「明確な指示」が求められるケースだ。
「明確な指示」は「内容の明確さ」とともに「通信方法の明確さ」も必要だ。口頭伝達はしばしば聞き間違いに伴うミスコミュニケーションを起こす。
「明確な内容」を誰が読んでも同一の理解をする「マニュアルのような文章で記述する」ことが今日からお金もかけずに実践できるテレワーク導入法の一例である。
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もしさらにこのテーマに興味があり、具体的なアドバイスが欲しいというような要望があれば、このブログに要望を寄せて頂きたい。具体例にそってアドバイスを申し上げたい、と考えています。