金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米国株反発、投資家は株価の底値を模索し始めている・・・

2022年05月24日 | 投資
 昨日(5月23日)米国株は大幅に反発した。S&P500は1.9%上昇し、ダウは2%、ナスダックは1.6%上昇した。
 先週ナスダックは一時弱気相場の淵をさまよったが、昨日時点では1月の高値から17.2%下落したところまで戻した。
 弱気相場bear-marketは高値から20%下落した相場を指す。WSJは「株式市場は弱気相場といちゃついた後高値引けした」と述べている。
 「いちゃつく」と訳したのはFlirt with bear marketという文章だ。
 Flirtには「恋をもてあそぶ」という意味と「(危険を承知で)軽くやってみる」という意味がある。
 固い金融記事にこんな言葉を使うのはどんな理由があるのかは知らないが、相場自体は恋を弄ぶことも、危険承知で何かをする訳ではないだろう。
 何かをしたり弄んだりするのは相場を動かしている人間である。
 さて昨日相場が反発した理由の一つはバイデン大統領が中国に課している輸入関税の軽減を考えていると発言したことによる。
 また相場を押し上げたのは、市場平均を大きく下回っていた金融株に買いが入ったことや個別株ではVMwareなどが上昇したことだ。
 また投資家が相場の底を模索し始めたことも影響しているようだ。
 WSJによると平均的には、直前の高値から弱気相場入りまでの取引日日数は132日だ。昨日は高値から97日目なのでここから弱気相場に突っ込むか反発するかの見極め時かもしれない。なおWSJによると弱気相場に入れば株価の底値は直前の高値から213日目にくるということだ。
 もっとも今回の株価下落は、米国経済や雇用市場が強い中で、インフレを懸念する連銀が政策金利の引き上げを打ち出していることの影響が大きい。
 またインフレは米国内だけにその原因がある訳ではなく、中国のロックダウンやロシアのウクライナ侵攻など外部にも原因がある。
 従っていつ相場が底値を付けるかを見極めるのは難しい。
 Citiの富裕層取引部門のストラテジストは「モニター画面を閉じてバケーションに行く一つのタイミングだ。戻ってきた時に相場は良くなっているかもしれない」と述べている。
 コミッションを貰って人様のお金を運用している人たちは遊びに行くわけには行かないだろうが、自分のお金を投資している人にとっては救いになる言葉だ。バタバタするよりものんびり底値を待つぐらいの気持ちで過ごすのが良いだろう。この相場は。
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