昨日(11月30日)ダウは520ポイント(1.5%)上昇し、今年の高値を更新した。ダウの11月の上昇幅は8%を超えた。ナスダックはこの日は若干下落したものの、11月1カ月では10.7%上昇した。またS&P500は11月に8.9%上昇した。
11月特徴的だったことは、債券価格の上昇と株価の上昇が同時に起きたことだ。10月下旬に5%越えだったが、10年債の利回りは4.4%を切るところまで下落し、ブルンバーグの債券指数は4.8%上昇した。
通常は株価と債券価格の動きは逆方向となることが多い。つまり悪くなると株価は下落するが、金利が低下するので債券価格が上昇するからだ。
だが今回は金利の低下予想が債券価格を上昇させるとともに、債券から株への資金シフトにより株価が3カ月ぶりに上昇した訳だ。
債券利回りが低下した背景は、消費者物価が低下傾向にあることだ。
もっとも消費者物価が低下傾向にあるとはいっても、直ぐに連銀が金利引き下げに動くわけではないだろう。
ニューヨーク連銀のウイリアム総裁は昨日「インフレ率は最終的には連銀ターゲットの2%に向けて低下していくだろうが、まだ連銀が経済に対するグリップを緩める用意はできていない」と述べている。
今投資家が期待しているのは、今日アトランタの大学でスピーチを行う予定のパウエル議長の言葉だ。
彼がどのようなスピーチを行うかは分からないが、消費者物価の低下により、景気が悪化した場合に、連銀が政策金利を引き下げる余地が広がっていることは歓迎すべきことだ。
もっとも我々円ベースの投資家には、今月末のポートフォリオ評価額は若干低下した。米国金利の低下予想からドルが若干安くなったことだ。
もっとも一喜一憂するような話ではなく、長期的には円安ドル高基調は変わらないだろう。