昨日(12月13日)のFOMCの後のパウエル連銀議長のコメントが、当面の政策金利据え置きと来年3回の利下げを示唆したことを好感して、米国株は大幅上昇した。
特にダウは512ポイント1.4%上昇し、37,090ポイントとなり新高値を付けた。
WSJには「パウエルはサンタの役を演じた」というKPMGのエコノミストのコメントが紹介されていた。2週間前までは、利下げに慎重な姿勢を示していたので、パウエル議長のコメントはサプライズだったようだ。
ところでダウがS&P500やナスダックより先に新高値を付けた理由の一つは、オールドエコノミーで構成されるダウが、ハイテク銘柄の多いナスダックより株価の下落幅が小さかったことが挙げられる。
またハイテク株は買われ過ぎて高値圏にあるので、投資家がPERから見て割安なダウ銘柄をピックアップしたこともあるようだ。
もう一つの理由は指数計算方式の違いが挙げられる。S&P500は時価総額比率の加重平均方法で計算するが、ダウは株価加重方式で計算される。
ダウ平均の上位にはユナイテッドヘルス・グループ、ホームデポ、ゴールドマンザックス、マイクロソフトなどがいて、これらの銘柄の株価がインデックスの変動に与える影響が大きい。WSJによるとユナイテッドヘルスやマイクロソフトがダウの高値更新に大きく貢献したということだ。
ということで、ドルベースの株式投資家には絶好のクリスマスプレゼントとなったが、我々円投ベースの投資家には全く手放しで喜べる訳ではない。といのは、ドル金利の低下予想からドル売り・円買いが起こり、為替がドル安に振れているからだ。
もし10円円高になると6%以上資産評価額が下がることになる。
ただし長期的にみると、この程度の為替水準の見直しが起きても不思議はないと考えるべきだろう。少し円安に振れ過ぎていたのだ。また6%や7%の為替評価損は株価上昇で十分補えるからだ。
ちなみにダウは今年12%上昇し、S&P500は23%、ナスダックは41%上昇している。連銀が政策金利を引き下げて、米国経済がソフトランディングすることを歓迎したいと思う。