ニューヨーク・タイムズに資産運用会社の大手フェデリティの広告があり、次のような仕掛けがあった。「あなたが道で500ドル見つけたらどうしますか?」という質問があり、4つの選択肢が設けられている。「クレジットカードの借金(アメリカはリボルビング信用なので借入が膨らむ傾向がある)の返済にまわす」「退職に備えて貯蓄にまわす」「市場でトレーディングを行う」「靴を買って贅沢をする」が選択肢だ。「靴」を選んでクリックすると、簡単なコメントと回答者全体の集計が現れた。「借金返済」を選択した人が48.5%、「退職貯蓄」が17.7%、「トレーディング」が20.8%、「靴」は13.0%だった。
フェデリティのコメントをまとめると「借金の返済が第一のプライオリティで、退職貯蓄がこれに次ぐ重要な家計の目標。トレーディングは十分な金融資産の裏打ちを前提に行いなさい。贅沢品にお金を使うことも立派だけれど、特別収入も家計予算に加えて考えなさい。収入の範囲で暮らすことと3ヶ月から6ヶ月の家計費を蓄えておくことは『救いの元』です」というものだ。
リーマンショック以降借金の返済を含めた米国人の貯蓄性向は高くなっている。貯蓄性向が高いということは消費が伸びないということで、個人消費が伸びないということは経済成長が停滞しているということだ。この広告が長く続くなら、「靴」の選択率をトレースして景気判断の材料にしたいものである。
ところで私は少し高めでも気に入った良い靴を長くはくことは、人生に大きなプラスを生むと考えている。私の家では靴の修理は近くのいわゆる「街の靴修理屋さん」にお願いしている。この前私が履いているEcco社の靴の踵の一部張替えと色塗りをお願いしたところ、1,900円だった。因みに大手チェーン・ミスター・ニミットのホームページによると底の張替えが4千円以上していたからかなり安いと思う。
Ecco社はデンマークのメーカーで、ずんぐりした靴を作っているが履き心地は抜群で、通勤時に1万歩程歩いても非常に快適だ。また耐久性が高く長持ちする靴だ。値段も500ドル出すと大体2足は買うことができるという手頃なものだ。
足に合った履き心地の良い靴を履くと歩くことが楽しくなる。楽しんで歩くと健康に良い。デザイン面で高価な靴を買うことのプライオリティは低くて良いが、歩き心地の良い靴を買うことには高いプライオリティを置くべきだろう。
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