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中国、地球温暖化防止に動き始める

2007年02月13日 | 環境保全

昨日地球温暖化問題を取上げた「不都合な真実」を観たので、この問題に関心が高まっていたところウオール・ストリート・ジャーナルで中国が温暖化防止に動き出すという記事が出ていた。温暖化防止よりも開発優先政策を取っていた中国がここにきてどうして温暖化問題に敏感になってきたのか?それは昨年中国南部を襲い大洪水を起こした台風や1877年以降最悪の旱魃の影響が大きい様だ。

  • 地球温暖化Global warmingが総ての異常気象の原因ではないかもしれないが、科学者達は中国は特に地球温暖化により傷つけられ易いという。極地の氷が解けると洪水で上海や深センの商業センターを水没させる。気温が高くなると準乾燥地帯で農業を営む多くの農民に壊滅的な打撃を与える。また中国は一人当たり水の供給量は最も低い。中国の大きな河川の水源は氷河であるが、その氷河は急速に消滅しつつある。

「不都合な真実」によると地球温暖化によりキリマンジャロの氷河も遠からず消えるということで、ヒマラヤの氷河の衰退で飲料水の供給に甚大な影響がでるということだった。

  • 中国気象協会は2030年までに温暖化の影響で穀物生産は5%から10%減少し、海水面の上昇で黄河、長江、珠江のデルタ地帯で洪水が増加する。
  • 中国政府の従来の主張は「開発優先」であった。しかし中国が重化学工業化して急速に環境汚染者になるにつれて、その指導者層は「地球温暖化は豊かな国だけの問題ではない。地球の温暖化は経済成長と社会的安定の大きな障害となると考え始めた。

中国は現在米国につぎ世界で二番目の二酸化炭素排出国である。そして国際エネルギー機構のよると2020年には米国と肩を並べると推測されている。

そこで中国の政治家はカーボン(炭素)クレジットの利用を強調し始めた。カーボンクレジットとは「温暖化ガスの削減に合意した先進国の企業は発展途上国の温暖化ガス削減投資を行なうことで自国で温暖化ガスを排出する権利を買う」仕組みである。2月9日の日経新聞によると中国政府と国連は北京にこのカーボンクレジット取引所の設立に尽力しているということだ。

また中国は京都議定書で地球温暖化ガスの排出制限は課せられていないが、エネルギー効率を高める政策を打ち出してきた。政府は国有企業と地方政府所有企業に対して、向こう5年間で生産量に対するエネルギー消費量を2割削減する誓約書に調印することを求めている。これでは不十分だという批判があるが、中国政府は社会的安定を保つための経済成長と環境改善をバランスさせる試みだと言っている。

ところでこの問題を英語で読むと目新しい言葉によくであった。私が今まで如何に地球温暖化問題に関心が低かったかという証明のような気がする。

たとえばグリーンハウスガス、グリーンハウスGreenhouseは温室で、グリーンハウスガスは地球温暖化ガス。温暖化ガス=二酸化炭素Carbon Dioxideと説明している文章もあるが、メタンやオゾンも温暖化ガスである。

温暖化ガスを発生させるセクターとしては火力発電が21%、工業が17%弱、交通関係が14%、農業が12%強、住居・商業関係が10%という記事が英文のウイキペディアに載っていた。

昨日見た映画「不都合な真実」の中でアル・ゴア氏が強調していたことは事実を正しく理解することである。私が楽しんでいる美しい山や渓谷という資源を将来の世代に残すためにも、地球温暖化問題を少しづづでも勉強して行きたいと思う。

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