金融そして時々山

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映画「ライフ」、動物は高等になると世知辛くなる?

2011年09月19日 | 映画

18日日曜日ワイフと池袋で「ライフ」を観た。象、チーター、カイツブリ、イルカなど多くの種類の生物が食べ物を求め、求愛し、子供を育てる姿が中々感動的だった。一つ一つのエピソードについては、BBC放送やNHKの番組などで似たようなシーンを観たものもあるのだが、まとまると圧巻である。

小さなカエルが生んだ卵を背中に乗せて、高い木の上に生えた草の葉の水たまりに運んでいく姿を見るとドーキンスの遺伝子論を思い出した。20世紀後半の偉大な生物学者リチャード・ドーキンスは「個体は遺伝子の乗り物に過ぎない」と喝破したが、自分が生んだ卵を運ぶカエルを見ているとまさにその思いを強くする。

日本からは地獄谷で冬温泉に入り寒さをしのぐニホンザルが紹介されていた。興味深いのはここのニホンザルの群れには強いファミリーと弱いファミリーがあり、弱いファミリーは温泉に入れて貰えないのである。寒くても温泉の縁で耐えている猿を見ていると動物は進歩するとともに世知辛くなり、差別化が始まると改めて思った。

「ライフ」の最初のエピソードは極寒の南極の氷原で身をもって子供のアザラシを寒風から守る母アザラシの話だった。総てのアザラシは等しく寒風を耐えねばならない。一方寒い冬を温泉でしのぐ方法を発見した猿の世界では力のあるものは楽な生活を送り、力のないものは辛い生活を送ることになる。進化は総て美しいものとは限らないようだ。

そして人間の世界を見ると、育児放棄や幼児虐待など動物の世界では考えられないことが起きている。「命をつなぐ」ということの尊さと重さを教えてくれる、「ライフ」とはそんな映画である。http://onelifemovie.jp/index.html

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