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山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米、好調な雇用統計で株価上昇。さて連銀は金利引き上げを打ち止めるか?

2023年05月06日 | 投資
 昨日(5月5日)発表された米国の雇用統計は、雇用市場の堅調さを示すものだった。4月の非農業部門雇用者増は事前予想180千人を上回る253千人で失業率は1969年以降で最低のレベルの3.4%に低下した。
 今週はファースト・リパブリック銀行の経営破綻とJPモルガン・チェースによる買収、それに続く地銀株の大幅下落で株式市場はぐらついた。
 そんな中でも連銀は政策金利の0.25%引き上げを決定し、政策金利は過去16年間で最高水準の5~5.25%レンジとなった。
 一方連銀の政策金利引き上げはこれで終了するのではないか?という観測も出始めている。
 個別銘柄では木曜日の取引終了後に発表されたアップルの業績が好調で同社株は4.7%上昇した。アップルの好決算と雇用統計が堅調でリセッション懸念が遠のいたという投資家センチメントが強く相場は一旦安定したようだ。
 WSJによると金曜日時点の短期金利市場では6月に政策金利の引き上げを予想する割合は7%で、9月までに利下げが行われるという予想の割合は75%である。
 これから市場の関心事は「いつ連銀が金融緩和に転じるか?」ということになるだろう。
 連銀の金融政策を占う上で番重要なことは、中小金融機関が貸出基準を厳正化して与信を圧縮するかどうかだろう。預金流出などで地銀の経営基盤が揺らぐ中、地銀が貸出圧縮に動くと金融引締め効果が高まり、連銀がさらなる金融引締めを行う必要がなくなるからだ。
 なお4月の賃金上昇率は4.4%で3月の4.3%を若干上回り、パウエル議長が「インフレを2%に抑えるためには賃金上昇率が3%程度になることが必要だ」と述べている水準をまだ上回っている。
 このようなことを考慮すると9月までに利下げがあるというのは楽観的過ぎる気がするが、ハイテク銘柄中心にホールドというスタンスで間違いはないだろう。
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