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最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

追加制裁でも米株の下落幅は予想よりも小さかった。

2018年07月12日 | 投資

昨日(7月11日)の米国株は、前日遅い時間に米政府が発表した中国に対する追加関税措置が貿易戦争を再燃させるという懸念から大幅に下落した。ダウは219.21ポイント0.9%下落した。

追加関税措置(食料品や衣料品など中国からの輸入品2千億ドルに10%の関税を課す)が発表された後、先物市場は200ポイントほど下落していたので、現物市場が先物市場に歩調をあわせたというところだ。

10日の追加関税措置の相場への影響は、米国外の方が大きいようだ。昨日の日経平均は一時400ポイントほど下落した。その後中東から買い注文などで値を戻し、最終的には264ポイント下落となった。

さて問題は追加関税措置に対する米ダウの200ポイント強の下落を大きいと見るか小さいと見るかである。

CNBCはBob Pisani氏の「追加関税措置に対して株価は思ったほど下落しなかった」「昨日は下落したが貿易戦争懸念の中でS&P500は5月の底値から5%上昇している」という見方を紹介していた。

記事によると最悪のシナリオで貿易戦争は米経済に1,200億ドルのマイナスをもたらすが、米国では今年の所得税等の減税効果2,000億ドル・国の財政支出1,000億ドル・税制改正に伴う多国籍企業の本国送金5,000億ドル合計8,000億ドルのプラス要因があるので、追加関税措置が相場に与える影響は限定的だと述べている。

うがった見方をするとトランプ政権は税制改正で家計と企業の体力を確保した上で、中国の知的財産権侵害問題等に対し強硬手段に出たといえるかもしれない。

日本のマスコミなどでは「関税競争は愚かなことだから話し合いで解決を図るべきだ」などと書いている(書いたところで米中の要人が読むとは思わないが)。だが血を流す戦争にしろ血までは流さない関税措置競争にしろ「話し合いで解決しないから戦争は起きる」のである。

そして戦争の結果でしか解決を図れない争いがあることも事実だ。この現実を忘れた世迷言に目を曇らせると相場を見誤るだろう。

トランプ政権が対中国貿易戦争に備えて税制改正などを行ってきたのかどうかは分からないが、彼らが今は戦える時期だと判断していることは間違いなさそうである。

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