金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米国株、今年最長の連続下落、でもまだ余裕が・・・

2013年09月26日 | 株式

昨日(9月25日)も米国株は下落した。これでダウは4日連続、S&P500は5日続けての下落だ。5日続けての続落は今年一番のスランプだが、市場参加者のコメントを見ると、それほど慌てている様子はない。

先週連銀がテーパリングの先延ばしを発表した後、S&Pは1,725.52ポイントの最高値をつけた。その後2%弱下落しているが、第三四半期全体では5.4%上昇しているし、年初からでは19%も上昇しているので、まだ余裕ありというところだろう。

既に投資家は株高を見越して大量の資金を投入しているので、しばらくは株式市場への大きな資金流入は期待薄、というのが専門筋の見方だ。

昨日の悪材料としては、ウォールマートが大量の売れ残り在庫を抱えたので、サプライヤーへの注文をカットしたというニュース(後でウォールマート社は、ブルンバーグに流れたニュースは誤報だと否定したが)で同社株が売り込まれたことや連邦議会での歳出をめぐる協議難航で投資家の間に連邦政府の一時的閉鎖懸念が高まったことだった。

ただし協議難航はヘルスケア(オバマケア)法案への大統領署名を遅らせようとする駆け引きで、連邦政府が長期にわたる閉鎖に追い込まれる可能性は低いというのが大方の見方だ。

経済統計では、8月の耐久消費財受注は、0.1%と若干増加(7月は8.1%の減少)。また商務省が発表した航空機を除くコア資本財は1.5%の伸び(市場予想は2%)。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相続学会、姜尚中氏を招いて第一回研究大会を計画

2013年09月25日 | インポート

私が専務理事を務める一般社団法人日本相続学会が11月15-16日の2日にわたり、中央大学駿河台記念館で第一回研究大会を開くことが決まった。

二日目は研究者や実務家向けの「事例発表」や「研究発表」が中心となるが、一日目は多くの一般市民の方の参加を期待して、大学教授・作家の姜尚中氏に「人生の意味と使命」という基調講演を行ってもらう予定だ。

Face

一般社団法人日本相続学会のHPはこちら→ http://www.souzoku-gakkai.jp/

相続をめぐる家族間の争いは増えているという。裁判所の統計を見ると、平成3年の遺産分割事件の新受件数は9,501件だったが、平成22年には4割増しの13,597件になっている。

ただし平均審理期間は平成3年の18ヶ月から22年の12ヶ月にほぼ一貫して短くなっている。因みに統計的に見ると弁護士が代理人として関与すると平均審理期間は長くなっている。

平成3年では弁護士が関与した案件の平均審理期間は20ヶ月で関与しなかった案件の審理期間12ヶ月を8ヶ月も上回る。また平成22年では弁護士関与が14ヶ月で非関与が9ヶ月。

もっとも「弁護士が報酬を稼ぎたいから決着を長引かせたのか」あるいは「弁護士が関与するような案件は複雑だから長引いたのか」は統計だけでは分からない。

しかし遺産相続問題が起きてから弁護士をたてて、家庭裁判所に調停を依頼するという方法は、時間とコストがかかりかつ相続人の間に深い亀裂を残す方法だ、といえるだろう。

また統計上のデータはないが、家庭裁判所に持ち込まれなくても、相続人間の深刻な争いとなったケースは多いと聞く。

このような相続争いを減らすにはどうすれば良いか?というのが一般社団法人日本相続学会のメインテーマである。ご関心のある方は是非オープンフォーラムに参加してください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドラマ「半沢直樹」、20年前ならある程度真実かも・・・

2013年09月23日 | テレビ番組

昨日(9月22日)終了したドラマ「半沢直樹」。「ウソっぽい、ウソっぽい」と思いながら、私も最終回を見てしまいました。これはドラマであり、ドラマの元になった小説の話なので、ウソっぽいと文句をいうのは大人気(おとなげ)ありませんが。最終回で一番ウソっぽいな、と思ったのは「取締役会で頭取を行司役として大和田常務と一介の次長の半沢が対決する」という構図です。現在のまともな銀行であれば、仮にこのような疑惑が頭取に知らされると、内部監査部や監査役が事前に動いて取締役に商法や会社の定款に違反があったかどうか入念に調べるでしょう。

また法律で取締役会議事録を作成することが義務付けられていますし、その議事録は金融庁検査でチェックされる非常に重要な書類です。つまり本当に取締役会であのような「対決」があれば「一部始終記録され、次回金融庁検査に提出される」ものですから、背任罪の恐れのある大和田常務を降格処分程度で済ますことはできないと考えるべきでしょう。

もっともブログのタイトルに書いたように「20年前ならある程度真実かも・・・」と書きましたように、企業の内部統制や法令遵守がユルユルだった20年前であれば、ある程度起こり得た話ではないか?という気もしています。もっともその頃の取締役会の実態がどうであったか?ということについは知るすべもありませんが。

あと銀行員のOBとして気になったのは「出向」の扱いですね。ドラマを見ていると「権力抗争に負けたり、あるいは業績が悪いと簡単に出向」になってしまう。恐らく「出向されている」銀行員の方の中には、ドラマのおかげで肩身の狭い思いをされている方がいるのではないかと少し気になります。銀行員の出向には色々な背景や目的がありますが、決してドラマに出てくるような「ムチ」のようなものばかりではないでしょう。銀行で培った経験を色々な出向先で活用し、社会の発展に貢献しようと考えている方も多くいると思います。

話はドラマから離れますが、「出向」というのは本来戻ってくる可能性があるから「出向」なので、戻ってこないのであれば「転籍」です。(転籍含みの「転籍出向」などという言葉もありますが)

格好良くそして少し無責任なことをいうと、同世代の人たちが出向する時期になると、出向ではなく転籍、更にいえば「会社(この場合銀行)に世話にならずに自分で新しい会社を探して転職する」というのが良いな、と思っていました。もっともこれは今いる会社が「割増退職金」を出すなど、ある程度のセーフティネットを提供することとセットで考える話でしょうが。

「出向先から戻りたいから、銀行に対して言いたいことも言えない」という人生はフラストレーションがたまります。もっともフラストレーションを抱える人が多いので半沢直樹の「倍返し」「百倍返し」に溜飲を下げた人が多かったのでしょう。

小説やドラマの役割が人々にカタルシスを提供することにあるとすれば、ドラマ「半沢直樹」は大成功でした。ここはウソっぽいなどというのは、無用の話かもしれません。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

消費税引き上げ関連ニュース雑感

2013年09月23日 | 社会・経済

来年4月からの消費税引き上げ(5%→8%)についてはほぼ決定的で、発表のタイミングは10月1日というのが大方の予想だ。私はかねてから消費税引き上げは財政健全化のためにmustであると主張してきたし、安倍内閣がこのタイミングで引き上げを発表すると判断していたので何のsurpriseもない。消費税引き上げに合わせて、法人税を引き下げるというのも、ほぼ予想していたシナリオの範囲だ。

法人税の引き下げは恐らく復興法人税の1年前倒し廃止という形をとるだろう。自民党の石破幹事長が「2012年の法人税の上振れが7,700億円で13年度はそれ以上。上振れ分で復興法人税の廃止をかばーできる」と述べているので、ほぼきまりではないだろうか?

一方一部には「消費税を引き上げる一方で法人税を引き下げるのでは消費者に説明ができない」という政治家の声がでている。そんな寝ぼけたことをいう政治屋さんにはマクロ経済学を勉強しなおして、キチンと選挙民に説明できるようになって欲しいと思う。国会もお休み中で勉強する時間はあるはずだから。

一方ちょっとしたサプライズは、住民税非課税世帯2400万世帯に一人当たり1万円支給するという政府案。食料品などに軽減税率を導入するまでのつなぎとして補助金を支給するという訳だ。1万円を増税幅3%で割ると33.3万円。つまり軽減税率が導入されるまでの食糧費を33万円と政府は計算したのだろう。

ところでどういう人が住民税非課税対象なのかというと、色々条件があるが、一例をあげると「パートやアルバイトの人で前年度収入が100万円未満の人」や「65歳以上の人の年金収入のみの人で年金収入が155万円以下の人」などだ。その数2400万人つまり国民の約2割の人が税金を払っていない(所得税の最低課税所得はもう少し高いので通常所得税も払っていないだろう)。

国民の2割が直接税を支払っていないというと、ずい分非課税者が多いな、という気がするが、実はアメリカでは5割の人が連邦税を払っていない。アメリカでは所得階層トップ20%の人が53%の所得を得て、67%の所得税を払っている。所得格差の問題は別とすれば、徴税コストの観点からは、所得を高額所得者に集中させてそこから税金を取るという方法が効率的である。

日本ではクロヨンという言葉があった。これは給与所得者の所得は9割捕捉されるが、自営業者では6割、農林水産業では4割という意味だ。これまた税務署が徴税コストや効率の点から給与所得者をターゲットにしたのである。

働き方の多様化や高齢化でサラリーマンを所得税の主な担い手とすることは難しいし、所得税に大きく依存することも難しくなっている。だから消費税の引き上げが求められている。

ところで非課税世帯に給付金を支給するような消費税引き上げ対策に私は基本的には反対である。何故ならこのような方法は「どこで線を引くか」で限界を跨ぐ人々の間で不公平感を招くからだ。つまりほんの僅かでも住民税を払うほどの所得を得たため1万円がもらえない人とほんの僅かので差で住民税を払わず1万円をもらった人の間の公平感の問題である。

生活必要物資である食料品には消費税非課税という対応が本筋なのである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相続学会、一般社団法人になる。円満な相続とは?

2013年09月22日 | 社会・経済

昨年(2012年)11月に任意法人としてスタートした「日本相続学会」は先週木曜日(9月19日)に一般社団法人となり、法人格を取得した。

ほぼ毎月のようにセミナーを行い、会員も100名を越えたので法人格を取得して対外的な見栄えを良くするのに良いタイミングだったと思う。

Academy

「円満かつ円滑な相続」を進める目的で設立されたこの学会のメンバーは、税理士さんや保険会社のセールスマンなど実務家が多いのが特徴だ。会員の多くは、背中に揉め事の種を抱えたクライアントを抱えている。私のような評論家は例外的存在だ。

実務家は現在の法制・税制の中で具体的案件に取り組むが、評論家は必要があれば法制や税制の改正を提案する。

その評論家が考えた「円満な相続」の一つの解決策は何かというと、相続財産を残さない、特に相続人の間で分割し難い財産、具体的には不動産を残さないということなのだ。

相続財産があるから、揉め事が起きる。極論だが財産がなければ(例えばプラスの資産より借金の方が多くて、全相続人が相続放棄を行ったとしたら)、財産をめぐる相続争いは起きない。

「相続財産を残さない」といっても、資産を蕩尽することを勧める訳ではない。資産を自分が生きている内に子どもや孫に贈与していけば良いのである。日本では一般的に贈与税の税率が相続税のそれよりは高いが、幾つか例外がある。例えば祖父母や親から孫や子どもに教育資金を信託の枠組みを使って贈与すると受贈者一人当たり1,500万円まで非課税で贈与することが出来る。

制度が作られた理由はもちろん「相続争い」を減らすことではなく、祖父母が持つ資金を孫達に流すことで、経済を活性化させることにある。

また相続税の基礎控除枠(110万円)内で計画的に贈与を行っていくという方法もある。

バブル崩壊までは土地は値下がりしないという神話があった。だが今やその神話を信じる人は少ないだろう。昨今大都市圏では不動産の価格が持ち直しているが、人口減少が続くこの国で一般住宅地が大きく値を戻すことは期待しない方が良いと私は考えている。むしろ全国的には値下がりする可能性の方が高そうだ。

ともし判断するのであれば、値下がりリスクと分割の難しさから争いのもとになる不動産を自分の眼の黒い内にキャッシュ化しておくというのも揉め事を減らす方法の一つだろう。

遺産相続を相続人の経済力の観点から考えると、遺産をあてにしなくても暮らしていける生活基盤を持った相続人が多いほど遺産をめぐる争いの可能性は低いと私は考えている。

その生活基盤とは何だろうか?それは独立心や勤労意欲に加えて、その時々に求められる職業技術を獲得していける高い学力だろうと私は考えている。それらは教育によってもたらされる。つまり財産を抱え込んで、死を迎えるより、子や孫にそれを贈与して、生活基盤がしっかりした子孫を作っておくことが相続争いを減らす方法なのである。

と好き勝手なことを書いたが、これは勿論学会としての意見ではない。一評論家の気ままな意見に過ぎない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする