サラリーマンを辞めて通勤定期がなくなった。定期は通勤以外つまり週末や休日の外出にも使っていたので、便利でかつ交通費の節約にもなった。
定期がないと出かけるのにコストがかかるというマイナス面はあるが、私の場合メリットも一つある。それは自宅と都心との間で色々な経路をとることができるというメリットだ。我が家は西武新宿線と西武池袋線の間で新宿線寄りのところにある。通常は約1.8kmの道を歩いて田無駅にでることが多い。ただしバスを使うと吉祥寺・三鷹・武蔵境という中央線の駅やひばりケ丘という西武池袋線の駅にでることもできる。
サラリーマン時代は日本橋に通っていたので、西武新宿線・高田馬場・東西線という路線を使っていた。しかしサラリーマンを辞めてコンサル的な仕事やボランティア活動を始めると日本橋に行く機会は減り、渋谷や東京駅あるいは有楽町方面に出かけることが多くなった。
この場合も時間的には西武新宿線を使うのが早いのだが、時々違うルートを使うことがある。特に雨の日などだ。濡れた傘を持って、高田馬場から混み合う電車に乗りたくない場合などは、乗り換えの少ない経路を使って、ひばりケ丘や吉祥寺からバスで帰ることも増えてきた。
そんな時ふと思うことがある。サラリーマン生活というのは、自宅と会社を往復するもので、効率を最優先していた。でも自分の時間が増えてくると、出かけること一つにも色々な選択肢が増えるものだと。
私の自宅は最寄り駅からやや遠い。駅から遠いことに家内は不満を持っているが、この距離を歩くことは運動につながると私は思っている。また多少時間はかかっても混雑を避けて都心を往復するルートを取ることもできる。
ものは考え様である。なくなったものを残念がるより、今あるものをうまく利用することを考える方が良いと思っている。