金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

雪崩は予測不可能と考えた方がよいかもしれない・・・

2017年03月27日 | ライフプランニングファイル

今日(3月27日)の午前中那須温泉ファミリースキー場で雪崩が発生し、登山訓練をしていた高校生ら8名が心肺停止・1人行方不明という痛ましい事故が起きた(午後3時半現在のニュースによる)。

昨日午後遅く私は長野県の菅平から車で東京に戻ったが、上田から高崎付近までは視界をさえぎるかなりの雪が降っていた。

那須温泉ファミリースキー場の上にも20~30cmの新雪が積もったと思われる。なおスキー場は3月20日にクローズしていたというから昨日の雪は想定外だったのだろう。スキー場が営業している場合は雪崩の危険性があるゲレンデは立入禁止にしているが、管理者のいないスキー場の斜面を雪山訓練のために登っていて雪崩に巻き込まれたということなのだろう。

雪崩が起きた同スキー場の第2ゲレンデは平均斜度20度・最大斜度25度という中級者スキーヤー向けの斜面で常識的には雪崩が出やすい斜面ではない。政府広報オンラインによると雪崩が出やすい傾斜は「30度以上で35度~45度が最も危険」ということだ。また私の雪山登山の経験からも20度そこそこの斜面で大きな雪崩をみることはなかった。

ただし雪崩については過去の例や経験をあまり頼りにしない方が良いのかもしれない。それは気温、降雪・降雨の状態、新雪の下の古い雪の層の形状(新雪と馴染みがよいかどうか)や登山やスキーによる雪の層に与える衝撃の度合いなど条件が総て異なるからだ。

また一般的には高い木が蜜に生えているところは雪崩が発生しにくいと言われているが、春の尾瀬の至仏山に登った時、底雪崩で大木がなぎ倒されているのを目にしたことがある。

つまり雪崩に関しては「雪が積もった斜面がある限り絶対安全ということはない」と考えておいた方が良いのだろう。

 

 

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対人関係業務の拡大で女性の高給取りが進む~アメリカの話だが

2017年03月24日 | 資格・転職・就職

私たちの職場でパソコンを一般的に使い始めたのは今から20年くらい前だったろう。

その頃パソコンに不慣れな中年男性社員の間で「パソコンを使えない社員は淘汰されるのではないか?」という漠然とした不安が広がったような記憶がある。

しかし実際に淘汰されていったのは「パソコンが使えない社員」ではなく「パソコンでできるような仕事しかできない社員」だったり「パソコンしかできない社員」だったのではないか?と往時を思い出すことがある。

AI人工知能が今後現在人間が行っている仕事の5割近くを代替するという予測がある。その数字をそのまま信じる訳ではないが、かなりの日常的な仕事がAIにより機械化されることは間違いないだろう。

そしてその結果AIにはまだ対応できないと考えられる「対人関係能力」や「問題解決能力」が一層フォーカスされることになるだろう。

WSJのAs skills shift for High-Paying Jobs,women see advantages「高給取りに求められるスキルの変化で女性が有利に」という記事は次のようなことを報じていた。

  • 高給取り(ここでは給与面で上位25%の職をさす)の大部分は問題解決・分析という認識的な能力cognitive skillを求められてきた。1980年代では大卒男子の66.2%、大卒女子の54.2%が問題解決などのcognitive Jobに携わってきた。
  • 2014年にはcognitive Jobに携わる大卒男子の割合は61.4%に低下し、大卒女性の割合は57.8%に上昇した。

Cognitive Jobを一言で表す良い訳語が思いつかないが、医者・ソフトウエア技術者・ファイナンシャルアドバイザーなど「情報処理的な仕事」ということで話を進める。「情報を他人が発する様々な情報」まで含めて考えると共感性などで優位性を持つ女性がこの分野で活躍する場を広げているという文脈につながっていくだろう。

AI時代に求められる情報能力とは、プログラミング能力だけではなく、他人が発する暗示的な情報を受け止め共感するような能力も含まれるのではないか?と私は考えている。

 

 

 

 

 

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相続対策でも「羅針盤は地図に優先する」

2017年03月23日 | ライフプランニングファイル

桜の開花情報がでましたが、まだ寒い日が続きますね。それでも間もなく4月です。4月は入学・進学・入社のシーズンです。

4月早々に私はある顧問先で新入社員の方向けに少し話をする予定になっています。テーマは「情報の蓄積と発信」ということにする予定です。

聴き手の新入社員の方はDigital nativeと呼ばれる世代の人たちですから、私よりインターネットを利用した情報収集についてははるかに慣れていて巧みだと思います。

しかし氾濫する情報の海を上手く航海しているかどうかは分かりません。

そこでうけるかどうかは分かりませんが、「羅針盤は地図に優先する」という話を少ししてみたいと考えています。これは米国の学校などよく使われるCompass over mapsを訳した言葉です。地図を「情報」羅針盤を「見識・行動指針」などと置き換え考えると「行動指針は情報に優先する」と言えると思います。指針のない情報収集は無駄であり、時に航海のノイズを増やすだけかもしれません。

前置きが長くなりましたが、私は相続対策でも「情報よりも方針が大切である」と考えています。情報の代表的なものは節税対策などの情報です。節税対策の一つとして「法定相続人の数を増やすため養子縁組をする」という方法があります。1988年の税法改正で税法上相続人にできる養子の数は実子がいれば一人、いない場合は二人に制限されています。また国税庁は実態を考慮して有効な養子縁組でも税控除を認めない場合もあるとしています。

一方最高裁は先月上告審で「節税を目的とした養子縁組でもただちに無効とはいえない」という判決を下しました。ある新聞はこの判決を見て今後節税を目的とした養子縁組が増えるかもしれないとコメントを出していました。

果たして今後養子縁組が増えるかどうかは分かりませんが、もし節税を目的とした養子縁組が増え、相続分が減ることで不満を持つ実子等との間でもめ事が増えるとすれば、甚だ本末転倒な気がします。

巷間「相続税対策を持って相続対策とする」業者や専門家と呼ばれる人が多く、それを受けて「相続税対策」に走る人が多いと聞きます。だが相続税対策が養子の数を増やしたり、分割・換金が難しい不動産を増やすような場合は深刻な遺産相続争いを招く可能性があります。

私はこの状態は「節税対策という情報に振り回されて、残された家族の健全な関係維持という指針を忘れた行動パターン」ではないか?と感じています。相続税対策はできるだけ多くの財産を相続人に残すという目的のために行うものですが、その結果相続人が相続税の支払いに苦労したり、深刻な相続争いに巻き込まれることになると目的と手段が完全に倒置していますね。

「羅針盤は地図に優先する」という言葉は、これから実社会にでていく若者に贈る言葉であるとともに、人生という長い航海を終えて、次世代にバトンを渡す年代の人にも必要な言葉かもしれません。

 

 

 

 

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オバマケア代替法案は株価の試金石

2017年03月22日 | 投資

昨日米国株は大きく下落した。

ダウは237.85ポイント(1.14%)、S&Pは29.45ポイント(1.24%)下落。

理由は下院共和党指導部が今週法案通過を目指しているオバマケアを廃止する代替法案の可決目処がはっきりしないことだ。

WSJによるとトランプ大統領はこの法案を可決しないと次の中間選挙で議席を失いかねないと下院議員に檄を飛ばしたそうだが、現時点では可決の見通しははっきりしないと市場は判断し、売り圧力が高まった。

オバマケアを廃止する法案が可決できないとすると、市場が期待していた大型企業減税やインフラ投資政策についても、成立見通しに黄信号が点灯しそうだ。

株価はトランプ政策による企業業績の拡大を織り込んできただけにその反動は大きい可能性がある。

為替市場では連銀の金利引き上げスタンスが、予想よりもハト派的だったということで既にドル安方向に動き始めている。

共和党指導部がトランプ大統領に協力してオバマケアを廃止する代替法案を可決できるかどうかはトランプ大統領の政策遂行能力を試す試金石であり、当面の株式市場や為替市場の試金石ともいえそうだ。

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春と冬が交差した苗場・神楽のスキー

2017年03月21日 | スポーツ

3連休は友人の先輩が持っている苗場のリゾートマンションに泊めて頂き春スキーを満喫した。1日目(土曜日)と3日目(月曜日)は快晴で2日目は激しく雪が降るという春らしい天気の変わりようだった。

写真は苗場スキー場最上部の筍山頂上付近から撮影した苗場山(中央のテーブル上の山)と神楽峰(右側)。2日目に神楽スキー場に行った時は吹雪でとても神楽峰まで登る気は起きなかったが、この天気ならシールを着けて1時間ほど歩き、神楽峰まで行きたかったと思う。

画像に含まれている可能性があるもの:空、雪、山、屋外、自然

3日目の筍山は新雪が積もり中々面白い状態だった。

ボーダーや小さいお子さんが急斜面に飛び込んでくるのが、筍山ゲレンデの特徴だ。

似たような斜面に八方尾根の黒菱があるが、こちらはほとんど大人の腕に自信のある?スキーヤーが滑っている。

小さい時から急斜面に慣れて、スキーの腕を磨くことは良いことだ。

苗場スキー場はシニアスキーヤーより、若者やファミリー層が目立つ。大変良いことである。

苗場スキー場の正面に見える白い山は平標山だ。50代の頃の春この山の山頂までシールで登り、正面に見える白い斜面(ヤカイ沢)を滑り降りたことがある。

湯沢に戻る乗り合いバスに平標登山口から山スキーを抱えた単独登山者が乗ってきたので、懐かしくなり「平標山ですか?ヤカイ沢ですか?」と聞いた。「時間切れで平標の上まで行けず、樹林帯を滑ってきました」という答。

苗場スキー場の華やかさも楽しいが一人で登る平標山のブナ林や谷川連峰の絶景を想像すると思わず胸が熱くなった。

私はもう平標山にスキー登山をすることはないと思うが、経験は感動を追体験させた。

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