金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米連銀は9月にも債券投資縮小を開始の見込み

2017年07月27日 | 投資

昨日米国の連邦公開市場員会は2日間の会議の後「全員一致で政策金利を1%-1.25%の水準に据え置く。そして比較的早期に債券投資の縮小を始める」と発表した。

「比較的早期に」Relatively soonという言葉は、今まで例では多くの場合ば次の政策決定会合を指すので、市場は9月にも債券投資縮小が始まると判断した。

連銀は4兆5千億ドル規模の債券を保有しているが、保有債券を市場で売却するのではなく、満期が到来する債券の再投資を止めるという形で保有額を緩やかに削減する予定だ。

最初は月100億ドル単位で再投資を止め、四半期毎に100億ドルづつその金額を増やし、最大500億ドルまで持って行くと予想されている。

6月の公開市場委員会後の声明では「債券投資縮小は年内開始」ということだったが、その時期が少し早まる可能性が高い。

しかし市場は連銀の計画を冷静に受け止め、株式相場はダウが97.58ポイント(0.45%)上昇し、S&P500,ナスダックとも小幅上昇した。

これは現在発表されている四半期決算が好調なことや世界的に景気が上向いていることで、連銀の債券投資縮小による長期金利上昇(の可能性)を吸収できると判断していることによる。

連銀が政策金利を引き上げる可能性については、連銀の声明発表後9月に利上げがあると予想するアナリストは3%に留まり、12月に利上げがあると予想する人は約50%だった(CMEグループによる)。

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ロシアの北朝鮮向け輸出倍増、北朝鮮を対米外交のレバレッジに

2017年07月26日 | ニュース

昨日(7月25日)の朝鮮日報は、大韓貿易投資振興公社が最近国会議員によれば今年1-5月のロシアの北朝鮮向け輸出が倍増していることが分かった、と報じている。

輸出品目の9割は石炭と石油だった。

またCNBCによると、ロシアは約5万人の北朝鮮労働者を受入て、林業や建設業で働かせている。これは北朝鮮の外貨獲得に貢献している。

専門家の見方によると、ロシアはウクライナやシリア等紛争地帯における対米交渉を有利に進めるため、北朝鮮をレバレッジ(梃子)に使おうとしている可能性が高いという。

これは前から言われていることだが、北朝鮮のミサイル技術はソビエト連邦崩壊後北朝鮮に行ったミサイル技術者により大きく成長している。ロシアと北朝鮮の繋がりは深い。

目下のところ中国が北朝鮮の最大の貿易パートナーだが、中国政府には北朝鮮問題を再考しようという兆しが見える。ロイターは先月末中国石油天然気集団が北朝鮮への石油輸出を見送ったため、北朝鮮でガソリン価格が5割上昇したと報じている。

国連制裁で軍事目的に使用される石油の輸出は禁じられているが、民生向けの石油輸出は対象外となっている。ただし北朝鮮は石油からミサイル燃料を作り出す技術を持っていると考えられるので、いわば尻抜けになっている訳だ。

中国が北朝鮮に対する経済制裁を強める方向に動いたとしても、ロシアがその穴埋めをするのであれば、経済制裁もまた尻抜けの状態である。

日本の対ロシア外交もこのあたりを頭にいれて取り組む必要があるだろう。


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Time is running out 米の北朝鮮軍事介入に備え中国国境警備を強化

2017年07月25日 | ニュース

核実験・ミサイル発射実験や航空母艦の派遣といった軍事的示威行為は目に見えるので、マスコミの話題になり、多くの人の関心を集める。

しかし中国の北朝鮮国境での軍事力強化は、少なくとも我々外部の人間には簡単には目に見えないので、一般に耳目を集めることは少ないだろう。

だが将来を予想する上で重要なのは、派手な軍事的示威行為ではなく、軍事的衝突を前提とした関係国の対策の積み上がり状況を把握しておくことかもしれない。

WSJによると中国は北朝鮮との国境地帯における軍事力を強化して、北朝鮮難民の流入に備えるのみならず、原子力汚染、米軍の北朝鮮侵攻に対する対策を進めているという。

この問題に対する中国政府の公式見解は示されていないが、かってロシア駐在武官を務め、現在は複数の中国シンクタンクに係る人物が「戦火を中国に及ぼしてはいけない。時間はなくなりつつあるTime is running out」とシンクタンクのレポートで警鐘を鳴らしていた。このような意見が反政府的とみられる場合は、検閲を受けるが、検閲を受けていないということは、中国政府が暗黙の了承を与えているのだろうとWSJは解していた。

中国の懸念は、北朝鮮の経済的あるいは軍事面の崩壊により大量の難民が中国に流入することや、核兵器から原子力汚染が起きること、あるいは北朝鮮領域に親米反中国政権が樹立されることだ。

これを防ぐためには、万一米国が北朝鮮に軍事的介入を行った場合、直ちに中国も北朝鮮に軍事介入する必要があるというのが、前述のシンクタンクに係る人物の意見だ。

米中間の阿吽の呼吸で、「米国は中国の同意を得ずに単独で北朝鮮に軍事介入を行うが、中国の準備が整うまでは実施を待つ」といった了解があるのかもしれない。これは全く私個人の推測の域をでないが。

 

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インバウンド客取り込みのポイントはウエッブに写真がでること

2017年07月24日 | 旅行

先週末新穂高温泉の水明館佳留萱山荘に泊まった時、数組の外国人旅行者が泊まっていたので少し驚いた。

水明館にはかれこれ10年ほど前に泊まったことがあったが、その時は日本人の団体客(登山ツアー客)ばかりで外国人旅行客は皆無だった。

今回我々は15名という大人数の団体だったので、宿泊客数では邦人宿泊客の方が多かったが、宿泊グループ数ではインバウンド旅行客が上回っていた。

親しくなった同宿のイタリア人カップルに「どうしてこの宿を選んだのか?」を聞いてみた。この30代のカップルは日本旅行は初めてで、京都からスタートして、金沢でレンタカーを借り、白川郷を回って新穂高で泊まった後、松本でレンタカーを返し、東京に向かうという。始めての日本での運転もグーグルマップを使うと問題はないと言っていた。

水明館を選んだ理由は「ここが日本で一番大きい露天風呂だ」とある旅行サイトに出ていたからだという。

帰宅後ウエッブでざっとそのサイトを探してみたが見当たらなかった。

しかしある温泉紹介サイトを見ると奥飛騨温泉郷の中の新穂高温泉に水明館の露天風呂の写真がありa huge, mixed gender outdoor bath(巨大な男女混浴露天風呂)と紹介されていた。

このような旅行案内サイトとSNSのような口コミで、特徴ある温泉が外国人旅行客の間で人気が高まり、旅館側としては「予想外」のインバウンド客を迎えることがあるようだ。

インバウンド客を狙う宿泊施設側としては、色々なサイトに写真付きで紹介されることが客寄せのポイントなのだろうと改めて感じた次第だった。

それにしても、若いヨーロッパ人は勇敢だ。日本語を話すことができなくても、平気で日本の奥地をドライブして回り、秘湯を巡っている(ちなみに水明館は日本秘湯を守る会の推奨宿だ)。

このような勇気あるインバウンド客にヒットされるには、色々なサイトで写真付きで紹介されることが一番だと改めて思った。またそうされるためには「絵(写真)になる特徴」をアピールできるかどうかにかかっていると感じだ次第だ。

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平湯大滝にはスローシャッターが合う

2017年07月24日 | 

週末西穂高独標登山を目指して、新穂高温泉に行き、水明館佳留萱山荘に泊まりました。ここは日本秘湯を守る会の推奨宿の一つです。

数年ぶりに大露天風呂を楽しみました。数組の外国人旅行客が泊まっていて、我々のグループはイタリア人カップルと親しくなり、お酒を飲みながら、カラオケを楽しみました。この30代半ばのこのカップルは初めての日本旅行ですが、レンタカーを借りて金沢から白川郷などを巡り、松本経由(松本でレンタカーを返却)で東京に向かうそうです。

インバウンド客の活発な活動に改めて感心しました。

残念ながら昨日(日曜日)は雨で独標登山は中止。平湯大滝を見学して帰りました。

平湯大滝は駐車場から徒歩で10分程度。滝の高さは64mだそうで中々迫力がありました。

シャッター速度を変えて滝の流れを撮ってみました。これはシャッター速度1/80で撮ったものです。

もう1枚シャッター速度を1/8に落として撮ってみました。

三脚を使っていないのでシャッター速度1/8の写真は手ぶれがあるかと思いますが、私は滝はスローシャッターで撮るのが面白いと思いました。

より正確にいうと色々なシャッター速度で写真を撮り、一番気に入ったのを選べばよいのですが、グループ旅行ではそんな時間はありません。

地元の観光協会の案内では「平湯大滝は日本三大大滝の一つ」に数えられているそうですが、この手の「三大もの」は顔ぶれが決まっている訳ではないようです。私も平湯大滝を三大名瀑の一つにするかどうかについてはクエスチョンマークがつきますが、中々の名瀑であることは間違いありません。

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