WSJによるとバイデン政権がトランプ大統領時代に中国に対して課した制裁関税の一部の引き下げを今週にも発表する可能性が高い。
制裁関税の引き下げについては、以前から話題に上っていたが、可能性が高まったのは、今週初めに米通商代表部が定期的に行っている関税見直しに関するコメント発表を行うからだ。
この発表を受けてバイデン政権が消費財を中心に中国から輸入品に課していた制裁的関税を減らす可能性がある。関税を減らす目的はインフレ抑制だ。
もっともバイデン政権の中でも関税引き下げ支持派と反対派の意見は対立している。イエレン財務長官は関税引き上げ支持派だ、財務長官は関税は中国の不公正な貿易慣行を是正する上で効果を発揮せず、経済の重しになっているので再調整を行い、インフレ抑制を図るべきだと述べている。
では制裁関税はどれ位インフレに影響を与えているのだろうか?
ピーターソン研究所によると関税廃止による直接的な効果は0.26%だが、競合する米国企業も値下げに動くので最終的にはインフレを1%低下させる可能性があると述べている。
通商部のキャサリン・タイ代表は関税支持派で、関税は中国から譲歩を引き出す有効な交渉手段だと述べる。
関税問題は、インフレ抑制策という点で今秋の中間選挙対策も絡んでくる。
米政権はインフレ抑制についてそれほど対策を持っている訳ではない。多くの対策は連邦銀行の金融政策に委ねられている。対中国関税見直しはバイデン政権が持っている数少ないインフレ抑制策である。
私はバイデン政権が対中国関税制裁の見直しを早い時期に発表する可能性は高いと考えている。その理由は水遊び用プールなど夏休みシーズンは中国からの消費財輸入が増えるからで早めの引き下げを求める声が上がっていることも理由の一つだ。