金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

今日(1月20日)のラムシュタイン会議はウクライナ戦線の転換点になるか?

2023年01月20日 | ニュース
 今日ドイツのラムシュタイン空軍基地で約50ヶ国が参加し、ウクライナ国防連絡会が行われる。
 ロシアのウクライナ侵略(マスコミでは侵攻という言葉が多いが侵略といおう)から間もなく1年になるが、今日の会議の結果が今後の戦線の行方に与える影響は大きいだろう。
 なぜかというと、攻撃力の高い戦車をウクライナに供与することについて、NATO内で意見が割れているからだ。
 ポーランドはウクライナにドイツ製のレオパルド2戦車数台を提供する意向を示しているが、ドイツ政府はこの重量級の戦車の供与について消極的だ。
 なぜならドイツ国民の50%がレオパルド2の供与に反対で賛成者は38%に過ぎないからだ。
 武器の再輸出については、生産国(この場合ドイツ)の承認がないと他国に供与できないことになっているからポーランドやその他のウクライナ積極支援国がレオパルド2戦車の供与を行おうと思ってもドイツの賛成がないと難しい。
 なぜドイツが重量級戦車の供与に消極的かというと、もしレオパルド2戦車が前線でロシア軍を打ち負かす事態が発生すると、プーチン大統領がナチス・ドイツによるロシア侵攻の二番煎じというプロパガンダでロシア国民を鼓舞し、ドイツが戦争に巻き込まれる可能性が高まるからだ。
 ドイツはアメリカがまず世界最強といわれるエイブラムス戦車を供与すべきであり、そうすればドイツはレオパルド2戦車の供与に同意すると主張している。
 ドイツはアメリカの強い後ろ盾なしにロシアに対峙することを避けているのだ。
 これに対してアメリカの世論には「これはアメリカの問題ではなく、欧州の問題だからドイツがもっと頑張らないといけない」という声が高まっている。
 NATO内の足並みの乱れが、ロシアの横暴を助長する可能性が高いので、今日の会議でNATOがどのようなウクライナ支援策を打ち出せるかには注目だ。
 そしてこれはウクライナだけの問題ではない。もし中国による台湾の武力併合という問題が起きるとアジアのウクライナになると言われている日本にとっても他人事ではないはずだ。
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ダウ600ポイント以上の下落、ただ狼狽感は薄い?

2023年01月19日 | 投資
 昨日米国株は大きく下落した。ダウは613.89ポイント1.81%の下落で、S&P500は1.5%以上、ナスダックも1.2%以上下落した。
 ただWSJを読む限り市場がそれほど狼狽した様子はうかがえなかった。
 朝方高くスタートした相場は、その後下落し、引けまで値を下げていった。その理由の一つについてWSJはセントルイス連銀のジェームズ・ブラード総裁が同紙のライブQ&Aで「連銀は政策金利が5%に達するまで金利引き上げを急ぐべきだ」と発言したことにあると報じていた。
 これは2月のFOMCでは金利引き上げ幅は0.25%に留まることに賭けていた投機筋の失望を招いたようだ。
 だが経済統計では株価にプラス材料があった。12月の生産者物価指数は対前年比6.2%の上昇にとどまった。これは2021年3月以降で最もスローペースとなった。
 生産者物価上昇の鈍化は、株式相場には好材料だが、売り優勢だった背景には、今月に入って株価が好調だったことの反動かもしれない。つまり利食いの売りだ。昨日の下落があってもS&P500は今月2.3%アップし、ナスダックは4.7%近く上昇している。
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2022年の中国の一つの転換点になるだろう

2023年01月17日 | ニュース
 WSJなどを見ても中国に関するニュースの量は圧倒的だ。世界第2位の経済大国である中国の動向が世界経済に与える影響が極めて大きいからだ。
 その中国の二つのニュースは、中国が一つの転換点に差し掛かった象徴ではないかと私は感じている。
 一つ目のニュースは中国政府が2022年の経済成長率は3%だったと発表したことだ。この成長率は1976年に毛政権が崩壊して以来最悪に近い水準だ(2020年が2.2%だった)。
 これはゼロコロナ政策により中国内で度重なるなロックダウン政策が取られた結果だ。ゼロコロナ政策は昨年12月に事実上撤廃されたが、そのマイナス影響は大きい。
 度重なるロックダウンにより消費者信頼感は地に落ちている。
 ゼロコロナ政策の撤廃により12月以降死者が約6万人に達したと公表されているが、実態はもっと多いという見方もある。また感染者の数についても数億人が感染しているという見方もあるようだ。
 公表されている都市部の失業率は昨年4月の6.1%から12月の5.5%に低下し、若年労働者(16歳~24歳)の失業率は昨年7月の20%近い水準から12月16.7%に低下している。失業率は低下傾向にはあるものの、コロナの傷跡が顕著に残っている。
 もう一つのニュースは1960年代初頭以来、昨年初めて人口が減少に転じたことだ。昨年中国の人口は85万人減少した。人口減少は長年にわたる少子化政策の結果なので、簡単には修正できない。
 つまり中国は今後労働力増加により生産量を増やすことが困難になり、生産性の改善が求められることになる。
 個人的な見解では、生産性の改善には、経営階層とそれ以下の階層による経営目標と事業プロセスに関する情報の共有が必須だ。
 中国がこのような目標や情報の共有を行いうるかどうかが中国が今後持続的な経済発展を行えるかどうかの一つのポイントだろう。
 これらの観点から後世2022年頃が現代中国の一つの転換点になったと言われる可能性があると私は考えている。
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一番のコロナ対策は運動

2023年01月17日 | 健康・病気
 今朝(1月17日)の読売新聞トップには「脱マスクいつから」という記事が出ていた。政府が感染リスクが低い環境ではマスクを外すように進めていても脱マスクが進まないという話だ。
 マスクの弊害は多い。集中力が落ちる。相手の表情が見えないことによるコミュニケーション不足。十分な呼吸ができないことによる運動不足などが主な弊害だ。中でも私はマスク着用による運動不足が大きな問題だと考えている。
 最近登山やスキーなどオープンエアで体を動かすスポーツでもマスクをつける人がいるが馬鹿以外のなにものでもない。
 また私が通っているスポーツクラブでもマスクの着用をうるさく言ってくるが、パーテーションで囲まれたトレッドミルの中を走ることに大きな感染リスクは感じない。むしろ呼吸が不十分なことで引き起こされる呼吸器系への悪景況が懸念される。施設運営者が思考停止に陥っているか、あるいは思考することをやめてしまったのかその原因は分からないが由々しき事態であることは間違いない。
 今朝読んだWSJに「運動はコロナの影響を抑えるのに役立つ」という記事があった。記事の元になっている研究はアメリカ予防医学ジャーナルに掲載されたということだから信頼性は高いだろう。
 記事によるとカリフォルニア大学サンディエゴ校のサリ教授はたとえ運動していても高齢者になれば、コロナの合併症リスクは若い世代より高まるが、運動をしている人の入院率は低いという研究成果を発表している。
 アリゾナ大学の運動免疫学のシンプソン教授は「運動は感染した細胞を認識し、殺すことができる免疫細胞を動員するので身体の免疫反応を改善する」と述べている。
「運動は私たちが使用している多くの薬と同じ位効果的でかつ副作用がない」と述べている専門家もいる。
 本格的なスキーシーズンの到来を前にしてありがたい記事なのでご紹介する次第だ。
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Voice Traを使ったオンライン日本語レッスンまずは好調な滑り出し

2023年01月16日 | うんちく・小ネタ
 昨日カトマンズ在住の女子生徒にVoice Traを使ったオンライン日本語レッスンを始めました。Voice Traというのは、無料の日本語↹多言語翻訳ソフトです。
 ネパールの英語教育はかなり盛んで私立学校に通っている彼女の場合、英語は流暢ですから、レッスンでは英語を使って日本語を教えています。
 旅行会社を経営している彼女の父親と懇意にしている関係で始めた日本語レッスンですが、彼女に日本語を学びたいという強いモチベーションがあるかどうかは不明です。ちょっとした好奇心から始めたというところでしょうか?
 従って文法など難しいことは後回しにして、まず設定した場面(たとえばレストランで日本人旅行者にネパール料理の説明をするなど)で、日本語の会話に慣れるという方法で授業を開始することにしました。
 その時レッスンを助けてくれるのがVoice Traです。
Voice TraにWould you like to something to drink?と話かけると「なにか飲み物はいかがですか」という日本語の音声が流れ、文字が出てきます。スピーカーマークをタップすると日本語や英語を聞き直すことが可能です。
 また日本語で「何か飲み物はいかがですか」と話しかけるとWould you like・・という英語が返ってきます。
 一定の速度できちんと発音して話しかけないと正しい英語が返ってきませんから日本語の発音チェックになりますね。このアプリを使うと自習ができますから、その気になれば復習・予習もできるわけです。
 結構習い事をしている生徒ですから予習までは期待していませんが、まずは好調な滑り出しですね。
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