1限目は「上田早夕里インタビュー」(聞き手:小谷真理)。
『華竜の宮』が大好評の上田早夕里さんの作品世界にどんどん迫る濃い内容。上田さんは「生きものが好き」ということで、ヒトも生物として見ることにより色々と興味深い想像が膨らむようです。たとえば、カタツムリなど両性具有の生物は多いのですが、もし人間がそういう存在になれば、そのセックスはどうなるだろうか……とか。
思想や哲学から来る倫理的問題にとらわれることなく、そういう追究ができるのがSFだ、という発言に深くうなずいたことでした。
昼食時間をはさんで2限目は「乱視読者の出張講義――ジーン・ウルフ編」。
当代きっての読み巧者で英文学者の若島正教授がジーン・ウルフのテキストについて講義してくれるという、もったいないほど有難い企画。
名講義でした。小説を読む喜び、本と出合う不思議についての素晴らしい1時間。堪能しました。
3限目は「ミリタリーSFの現在」。アメリカ文化とSFについて詳しい堺三保さんと、軍事評論家の岡部いさくさんが、このところとみに翻訳出版の盛んな米国産ミリタリーSFについて語ってくれました。
とりあえずは「ミリタリーSFをお薦めします」という企画なのですが、「セミナーに来るような人にはどうかなあ?」、「基本的にヒマつぶしの本ですから」と微妙な薦め方。ジョン・スコルジーの『老人と宇宙(そら)』や、ビジョルドの「ウォルコシガンもの」など、私も好きですけど、ミリタリーSFの魅力に惹かれてかというとちょっと……。
というところで、4限目の「〈SF Prologue Wave〉発信!」は失礼して、上野公園へ移動。「上野の森 親子フェスタ」という催しが、こちらも毎年ゴールデンウィークに行われていて、『「希望」という名の船にのって』を出していただいたゴブリン書房も出店しているということで覗きに行ったのでした。
が、直前から降りだした雨のために今日は時間を繰り上げて終了したとのこと。社長さんご一家に挨拶できただけでも幸いでしたが、たくさんの児童書が並んでいるところを見たかった。残念!