惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

地震への備え

2011-09-06 21:07:17 | サイエンス
 SF大会での見聞のつづきですが、地球シミュレーター企画でチラッと見せてもらった日本の西半分の地図が忘れられません。

 確か、1970年に比べて、現在、どれだけ隆起/沈降しているかを図示したものでしたが、これを見ると、フィリピン海プレートの沈み込みによって、ユーラシアプレートにのる日本列島にたまった歪みの状態が一目瞭然。
 四国―中国でいえば、プレート沈み込み現場に近い室戸岬や足摺岬は引きずりこまれて沈降し、逆に、北へ離れた四国山脈や瀬戸内海あたりは隆起していました。

 あれを見ると誰もがゾッとすると思います。そのせいか、高知県では地震対策に本腰を入れているという説明でした。
 ああいう図版はどこで見られるのだろう? 誰でも見られれば、地震への備えが欠かせないことがわかると思うのだが。

 〈ナンクロメイト〉10月号発売中。担当している新刊紹介欄で次の3冊を取り上げています――

  • 高千穂遙『グランプリ』(早川書房)
  • 鯨統一郎『努力しないで作家になる方法』(光文社)
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 『感染症と文明』は、大規模な感染症は文明が生み出したものであることを説いて衝撃的。「感染症との共生なくして人類の未来はない」というのが、著者の結論なのです。