惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

多摩丘陵の地図

2013-01-22 20:43:00 | まち歩き
 全域を踏破したいと思っている多摩丘陵の様子を表す各種地図が欲しいのですが、そのいちばん古いと思われるものに「横浜周辺外国人遊歩区域図」があります。
 幕末から維新直後にかけて、横浜在住の外国人が自由に出かけられる範囲を示した地図で、英国海軍のホーズ大尉という人が作成したそうです。1865年(慶応元年)~1867年(同3年)にかけて出版されていました。

 リンク先(横浜開港資料館)の図を見ていただければわかりますが、とても詳細です。範囲内には多摩丘陵全域と三浦半島、それに丹沢、箱根、富士山あたりまで入っています。

 海岸線は伊能忠敬の地図を参考にしたものと思われます。
 注目したいのは山岳地帯。陰影による独特な表現ですが、地面の凸部がかなり正確に描かれています。
 伊能図には海岸線と大きな川の流域ぐらいしか情報がありませんから、この部分は英国人が観察ないし測量して描き込んだものでしょう。日本ではまだこのような地図は作られていなかったはず。
 英国大使が富士山に登ったり、ホーズ大尉自身、大山に登ろうとしたりしたのは、内陸部の地形を探る目的もあったのでしょうね。軍事偵察の一環だったにちがいない。

 この地図では多摩のことを「SAMA」、三浦(半島)のことを「MURA」と表記するなど、色々と面白いので、いずれコピーを入手したいものだと思っています。