夕方、駅前の真光書店へ。
緊急事態の間は午後5時までの営業でしたが、今は夜8時までになっています。といっても私が訪ねたのは5時前でしたが。
〈つげ義春大全〉の第2回配本が届いたという知らせをもらったので取りに行ったのです。
第1回配本は「第1巻」と「第16巻」。今回は「第3巻」と「第15巻」です。不思議な順番だ。
第15巻には、あの衝撃的な「沼」が載っています。〈ガロ〉掲載作が順番に並んでいるようです。
〈ガロ〉の創刊は1964年9月。私は中学1年で、まだ古本屋に通ってマンガを借りていたと思います。
〈ガロ〉とはそこで出会い、白土三平さんの「カムイ伝」を掲載するために創刊したという編集者の言葉を読んだことを覚えています。ぜひとも毎号、読みたくて、定期購読させてもらいたいと父親に頼んだのですが、この雑誌を見た父は「ふさわしいと思わない」と許可してくれませんでした。
それで、貸本屋で借りて読みつづけることになったのですが、つげ義春の名は「沼」で強く脳裏に刻まれました。
なんといっても出てくる少女の言葉遣いが鮮烈。「いっそ死んでしまったほうがなんぼか幸せ……」と言って、カモの首をひねってちぎる場面は、今回見て、記憶のままだったのに驚きました。
この巻には「チーコ」「海辺の叙景」「紅い花」、それに私のいちばん好きな「李さん一家」も載っていて、もう何といっていいのか……。
第3巻の方は10代のつげさんが貸本に描き下ろした長編エンターテイメント作品3作を収録。1巻に比べて絵が(特に構図が)いちだんと上手くなっているのが凄い。
真光書店の斜め向かいにあるパルコには「6月1日から営業」という告知が出ていました。