〈小松左京マガジン〉が、このほど発行された第50号で終刊となりました。
発行 :(株)イオ、発売 :(株)角川春樹事務所、定価1000円。
発行 :(株)イオ、発売 :(株)角川春樹事務所、定価1000円。
小松左京さんの主宰する同人誌として2001年1月に創刊され、あしかけ13年。季刊のペースをきっちり守って、ちょうど50号。きりのいいところでおしまいというわけです。
この最終号では表1~4を使って前号までの表紙が並べられています。
内容は石毛直道さん、小佐田定雄さんらによる座談会「小松左京と上方風流」、同じく座談会で、山田正紀、萩尾望都さんらによる「小松左京の未来」。かんべむさしさんのエッセイ「ロマンチストの焦燥感」、会員からのメッセージ、2000年以降の小松さん関連の詳細な年譜など、盛りだくさん。いつもより小さな活字でびっしりと詰め込まれています。
編集/発行人の乙部順子さん、お疲れさまでした。
〈小松左京マガジン〉は同人誌といっても、小松さんの人脈を生かしたリトルマガジンのような趣きで、地球文明、出版、芸能を中心とした日本文化、それにもちろん小松作品などについて、自由に語り、論じてきました。
私も最初から、購読会員としてお付き合いしてきましたが、なかなかに面白かった。バックナンバーは貴重な資料になると思います。
個人的には、小松さんが亡くなって以来、ずっと考えてきたことの一端を、49、50号に「小松左京の〈文学〉――迷路の果てに」と「 〃 ――廃墟空間から複素宇宙へ」として書かせてもらったことが大きかった。なんとか終刊に間に合ったという感があります。
今後、時間を置けばおくほどに、小松さんの業績は大きく浮かびあがってくると思います。私もまだまだ学び、考えなければ。