金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

さわかみ投信、キャッシュポジションの高さが気になる

2006年01月12日 | 株式

以前このブログでさわかみ投信を推奨したことがある。その記事を読んだ友人から「私もさわかみ投信の購入を検討します」というメールも頂いた。従って今私がさわかみ投信について持っている若干の疑問を述べておくのが公平というものだろう。それは3割というキャッシュポジションの高さである。3割キャッシュポジションがあるということはさわかみ投信を100口買っても70口分しか株式投資を行なっていないということだ。

これについてさわかみ投信の説明を聞いていない(メールで照会したが返事はなかった)が、推測では現在の株価水準が買うべきと判断している株価水準より高過ぎるので株価が妥当な水準に落ちるまで待機しているということかと思う。

この投資判断の良し悪しは別としてこの投資行動の結果ここ半年程度に限って言えばさわかみ投信のパフォーマンスは市場平均を下回っている。手元の控えを見てみると昨年6月3日の日経平均が11,300円でさわかみ投信の基準価格は13,499円、今年1月10日の日経平均が16,124円でさわかみ投信の基準価格は18,174円である。この間の日経平均の上昇率は39.2%でさわかみ投信の上昇率は34.6%である。つまりさわかみ投信は市場(日経平均)をbeat(打ち勝つこと)が出来なかった。

なお断っておくとさわかみ投信自身はベンチマークを設けていない(つまり日経平均やTOPIXと競争するとは言っていない)ので日経平均に勝つとか負けるとかいうことは問題ではないのだろう。また以前ブログで述べたとおりさわかみ投信はベータが低いので上げ相場では弱く下げ相場に強いので昨年の上昇相場で市場に負けることは仕方が無いのかもしれない。

問題はキャッシュポジションの高さである。下がったところで株を買うということは私は大変難しいことだと考えている。というのは市場の動きというのは均一的に上がったり下がったりするものではなくスパイクという乱高下の繰り返しである。そしてその乱高下を予測することは不可能というのが機関投資家のコンセンサスである。従って今機関投資家の間で常識となっていることはフルインベストメント、つまり投資タイミングを計るのではなく出来るだけ株や債券等に投資するということである。

もし株価水準がこのまま高いレベルで推移するとさわかみ投信は買い場を逃したことになるのだが如何なものだろうか?

コメント (1)
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