金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

凄いスポーツウーマンがいたものだ

2007年05月16日 | 

昨日(16日)Yさんというスポーツウーマンと八丁堀の柚でお酒を飲む機会があった。Yさんは元の会社の女子社員だが、面識はなく某氏の紹介で会った次第。

Yさんはフルマラソンを3時間8分で走り、日本百名山の内既に77名山を踏破しているという猛者(私が登った百名山は五十ちょっとである)。いや猛者なんていうとコワモテのイメージが浮かぶかもしれないが、妙齢にして中々の美人。またお酒が強いのである。これだけのスポーツウーマンだから日頃からお酒も飲まずに走りこんでいるのか?と思うとそうではなく結構いける口なのだ。

山の話になった。百名山の中で二人が共通して高いランクに上げた山は「平ケ岳」。尾瀬ヶ原の北方に位置する草原に覆われた名前のとおり平たい名峰である。私は平ケ岳に2度半登っている。一度は学生時代の夏に中ノ俣川という沢伝いに。もう一度は春に魚沼駒ケ岳から縦走して。これは雪洞に9連泊する位の長丁場だった。そして最後は数年前、恋ノ又川から。この時は岩魚を釣り釣り、本当に楽しい沢登りをした。その時は頂上往復は割愛したので半分だけカウントして2度半の登頂という次第だ。

さてYさんに話を戻すと、彼女はマラソン登山もやっていて富士山マラソンも走ったとのこと。又近々魚沼の八海山でもマラソン登山をするという話だ。私は八海山は登ったことはないが、八海は八階の意味で幾つもの岩峰が連なると意味だと聞いたことがある。岩峰には鎖がついているところもあるという厳しい修験の山のはずだ。そんなところ走れるのかしらん?と思いながら私達は銘酒「八海山」の杯を重ねた。

そのYさんとは今度一緒に南アルプスの北岳・間ノ岳に行きましょうという話でお開きになった。でも酔いが醒めて考えてみると、フルマラソンを3時間そこそこで走る様な人と同じペースで北岳に登れるのかしらん?という不安がよぎらないでもない。「でもここは弱気にならずに夏に向けて、トレーニングを積んでみよう!」という気にさせる位Yさんは良い人だった。

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M&Aが株価を支えるとすれば

2007年05月16日 | 株式

新聞を開くとM&Aのニュースが溢れている。今日も「ロイターがトムソンの買収提案を受け入れた」「ダイムラークライスラーが北米クライスラーの売却を決めた」「ヤマダ電機がぷれっそ(マツヤデンキの持ち株会社)を買収すると発表した」などの記事が出ている。世の中はM&Aブームである。

このM&Aブームは2つの点で1990年代後半のディールとは異なっている。一つは90年代のディールはAOL-タイムワーナーに代表される衝突する異業種の合併が多かったが現在はトムソン-ロイターに見る様に同業種間のM&Aが多い点だ。もう一つは90年代のディールは高い株価を持つ企業が株式割当で買収を行なったのに対して現在のM&Aは現金割当が多いという点だ。これはプライベートエクイティがM&Aの主役になっているということと表裏一体である。

さて今日の本題はこのプライベートエクイティによる買収が株価を下支えしているという点に関するものだ。もっとも下支えしているのは、欧米の株価であり日本株には余り下支えになっていない。

エコノミスト誌によるとこの下支えは「プライベート・エクイティ・プット」として市場では知られている。「プット」とは「株式等を取り決めた価格(ストライクプライス)で売る権利」のことである。このプライベート・エクイティ・プットは1990年代後半のグリーンスパン・プットに呼応するものだ。グリースパン・プットとは、当時投資家達が市場を救済するため株価が下がると金利を引き下げて株価安定を図ると信じていたことを指す。

日本にも90年代にはPKOという言葉があったことを思い出す。これはPrice keeping Operationで株価が下がると公的資金で日本株を買い株価維持を図っていたことを指す。いわば公的資金プットだった。

さてプライベート・エクイティ・プットに話を戻すと欧米の株式市場では「ある企業の株価が下落すると直ちにLBOによる買い手(つまりプライベートエクイティ)が舞い降りてその株を買うという信頼の下で株価が上昇している」とエコノミスト誌はいうのだ。

この話を日本の株式市場に当てはめるとどうなるだろうか?今年2月の世界同時株安以降最も株価の戻りが悪いのが日本だが、日本にはこのプライベート・エクイティ・プット効果がないということで説明を展開しよう。

今日本の企業経営者が恐れているのが、敵対的買収だ。インスティテューショナル・シェアホールダーズ・サービス東京によれば、6月の株主総会で300社近い日本企業がポイズンピルの導入を提案する見込みだ。

敵対的買収に対する警戒心は今月の「三角買収の解禁」により高まっている。しかし三角買収は敵対的買収に馴染まないことは多少モノゴトを知っている人には周知のことである。(私のブログでも既に書いたので理由は省略)

今企業経営者がポイズンピルや株式持合いの様な買収防衛策を取る結果、本当に企業価値を高める様な買収も行なわれないとすれば、それは株主に利益に反することになる。もっとも日本企業の中にも株主へのリターンを高めることで買収防衛を図るという王道を取っている会社はある。しかしかなり多くの会社が買収防衛策を取るということは、日本の株式市場ではプライベート・エクイティ・プットが機能しないと海外投資家が判断することにつながっているだろう。これは日本株市場低迷の一因であろう。

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