外国人の日本の不動産投資が昨年3倍になった。ファイナンシャルタイムズによると国際的な不動産会社ジョンズ・ラング・ラサールは外国人の投資は2005年の40億ドルから06年には130億ドルに拡大している。同社によると日本の金利は世界で一番低いので投資利ざやが確保されるということだ。
外国人の投資はクラスAと呼ばれる東京、大阪、名古屋の高級オフィス物件が大きなウエイトを占める。モルガンスタンレーの不動産アナリスト大山氏によると、東京の中心部の人気の高い物件でキャップレートは3.6-3.8%である。このレートは大山氏が2000年に予想した5%よりも低いが借入金コストを差し引いても利益がでるレベルだ。
日本人の商業不動産投資も活発で、国内、海外勢合わせた商業用不動産投資金額は05年の230億ドルから520億ドルに拡大している。
このことの意味を考えてみよう。活発な不動産投資により大都市特に東京の中心部は国際的なビジネス特に金融ビジネスのハブとしての魅力を増すだろう。もっとも香港やシンガポールを圧倒するには、成田からの高速鉄道を整備する等課題は多い。急速に悪化している治安も気になるところだ。
とはいえこれだけ外人の不動産投資が増えていることは、外人が東京が国際金融センターとして復活する可能性に賭けている、少なくともこの問題に政府がシリアスに取り組むと考えている証左だろう。