一般に思われているより、米国の工業の足腰が強く中国が追いつくには時間がかかるという専門家の研究をファイナンシャル・タイムズ(FT)が報じている。
- ワシントンベースの経済コンサルタント・グローバル・インサイトによると、2024年まで米国は世界の工業生産の20%のシェアを維持すると予測される。現在の米国のシェアは25.5%で、2020年までに22.2%に下落する。この年にアメリカは世界一の座を中国に明け渡すことになる。中国の工業生産のシェアは2006年現在12.1%だが、2020年には22.4%に上昇する。
- 中国のシェアは1995年には4.6%でこの時の米国のシェアは24%だった。日本は2006年現在世界第二位の工業生産高を持つ。そのシェアは13.9%だが、2024年には8.6%まで下落すると予想される。西欧諸国のシェアは2006年には26.1%であったが、2024年には19%に下落すると予想される。
- 中国の工業生産高の成長率は経済が成熟するとともに下落する。また歴史的に見て米国や欧州の様に高コスト地域の製造業は、新しい発想の採用や革新的な製品の開発または積極的な賃金抑制策により競争力をを増すと考えられる。
以上が記事の内容で、最後にノースキャロライナを本拠とするSealyという世界一のマットレスメーカーの例を引き米国の製造業がニッチ分野で活躍していることを示している。
グローバル・インサイトの予測の前提を見ていないので詳しいことは分からないが、プロフェッショナルな投資家がこの様なレポートを見ると「長期的観点から日本は売り」と判断するかもしれない。
一般にアメリカは金融を国策・輸出産業と位置付け、製造業については空洞化してもやむなしとしている様な印象を受ける。しかし付加価値の高いところはキチンと押さえていると見るべきだ。中国やインドは米国のOutsourceeにはなれても中々美味しいところは食べさせてもらえないということだろう。