将来の原油不足に対する懸念から、オイル先物が急上昇している。昨日1日で先物は9ドル上昇して、1バレル139.30ドルに達した。価格の上昇が激しいのは決済期限が遠い先物で、2012年12月ものは今年1月以来60%上昇している。一方期近ものは35%の上昇だ。
エネルギー市場に極めて大きな影響力を持っている投資銀行ゴールドマン・ザックスは、先週投資家に2012年の先物を買う様に推奨した。
FTによると、影響力を持つ原油投資家ピケンス氏は世界の原油算出はほぼピークに達してると信じていて、今年年末までに1バレル150ドルに達すると警告を発した。ピケンス氏は「世界の原油算出可能量は1日85百万バレルだが、需要は87百万バレルあるので、価格が上がるのは明白だ」という。
ピケンス氏の見方はまだ少数意見だが、将来の原油供給に対する不安は、急速に主流を占めつつある。また何人かのオイル業界の幹部は、政治地政学的な不安定さから2012年から2015年位まで供給不足が続くと予想している。
中国で石炭不足から32の火力発電所が操業停止したこと・・・これは今年2回目だが、これも原油不足懸念をかき立てている。
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サブプライム問題が終わらない内に原油不足問題が急速にメインストリームに躍り出てきた。そして食糧と水不足問題も控えている。これらは総てインフレ懸念につながる。そろそろ日本の投資家もまじめに資源問題を考えるべきだろう。