金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

リゾートはニコニコ現金払いが良いね

2008年05月30日 | うんちく・小ネタ

少し前にリゾートクラブ「四季の宿」などを運営するパルアクティブが民事再生法の適用を申請したという記事を新聞で見た。その時は「あーそうか」という位に思っていたが、今日帝国ニュース(これは右翼の新聞ではなく帝国データバンクという信用調査会社が出している日刊誌)で少し詳しい事情を読んだので思うところを書いてみる。

実は2,3年前少しお金が入ったので、リゾートクラブのメンバーシップでも買って見るか?とチョッと思ったことがあり、パルの資料もパラパラとみたことがあった。その時思ったことは「会員権が東急リゾートなどに比べると随分割安だが、そこが妙に気になる」ということだった。

幸い?にもまだ頻繁にリゾートホテルに泊まりに行く程の時間的余裕もなかったので、具体的な検討は止めてしまった。この時気になったことは、消費者として「リゾート運営会社の信用リスクをどうチェックするのか?」ということだった。

今のように金融を仕事としていると、帝国データのような調査機関からデータを得ることも可能なのだが、一般個人としては、非上場のリゾート運営会社の経営状況を把握することは極めて困難だ。

「帝国ニュース」によると、パルのビジネス・モデルは「過剰債務を抱えて民事再生法の適用を申請したホテル運営業者から安い値段でホテルを買収して拡大路線を突っ走り」ながら「会員数を1万人に増やした」ものだった。しかし裏では過大な広告宣伝費、買収費用、豪華本社の家賃などが負担となり資金繰りの悪化が進んだとある。

その結果担当弁護士が明らかにしたのは、給与遅配、税金・社会保険料や公共料金の滞納で、従業員は相次いで退職し、直営施設は運営不能となっている驚愕の事実だ。

先程、金融を仕事にしているので信用状況を把握できるといったが、無論これとて完璧なものではない。もし完璧に信用情報が把握できるのであれば、銀行は融資先の倒産で苦しむことはないのだが・・・・・

また1,2年の融資の回収ならいざ知らず、リゾートクラブのように長く利用する相手の遠い将来の信用状況を予想することはほとんど不可能と思うべきだろう。

ではどうすれば良いのか? 保守的で堅実な方法は会員権など買わないで「いつもニコニコ現金払い」に徹することである。これなら泊まるホテルが更正法を申請しようが、倒産しようが関係はない。

更に言うとテントでも車に積んで、旅を続けるともっと良いかもしれない。半分冗談だが。

とにかく「安く見える会員権」というか何事によらず「安く見えるもの」には裏がある・・・ということは肝に銘じておいて良いとあらためて思った次第だ。

コメント
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