最近の日経ビジネスは、イオンについて1年前に比べて半値以下に沈んだ株価に歯止めをかけたのは、4月に発表した中期経営計画だという。中期経営計画では選択と集中を高め、事業の収益性を追求するのが柱だ。国内でGMS(大規模小売店)やSCなどの出店を抑制し、海外に注力する。国内のGMS400店舗を閉鎖もしくは食品スーパーに転換しようという訳だ。
ショッピングモールというと私がたまに行くショッピングモール、むさし村山ミューは、イオンが運営するモールだ。開店した頃は混んでいて、昼食を食べるのに苦労したこともあったが、3週間程前に行った時はガラガラだった。ゴールデンウイーク後で、消費者が外出疲れで、客足が悪かったのかもしれないが。
日経ビジネスによると「成熟市場にもかかわらず、出店競争を繰り返してきた。つまり産業の成長段階と企業戦略が不一致だった。リストラをすることで是正される」と野村證券の正田アナリストは言う。
また「実測!ニッポンの地域力」(日本経済新聞社)には「過熱する大型店開発が、熾烈な商品販売価格競争を生み、商業施設の坪効率が大幅に低下、それをもって日本全体の小売販売額が低下したのである」「表面上は顧客価値=安売りという安直な哲学を掲げ、本音では競争相手をつぶし市場を寡占すべく行う過大投資は、本旨をそれた投機にすぎない」と厳しく批判している。
イオンは拡大路線で売上高を伸ばしてきた。しかしそれは坪当たりの売上高の減少を招き、日本の小売業全体の疲弊につながったということだろう。
イオンの食料品売り場を見ると確かに安い。だが今モノは安いから売れるという時代は過ぎた。正確にいうと「安いから買う」という人もいるが「高くても品質に安全できるものを買う」という人も増えてきた。ワイフは今「大地宅配」http://www.daichi.or.jp/を使って、国内産の添加物の少ない食材を購入することにはまっている。
より顕著なのが衣料品だろう。個人的にいうと衣服の数はそろっているので、インパクトがないと新しいものを買う気が起こらない。私にとってインパクトとは例えば「その服を着ると旅に出たくなる」ような服だ。
ショッピングモールに入っている店舗は若い女性をターゲットしたものが多い。我々おじさん族は2,3度通うと飽きてしまうというのが、今のショッピングモールの店舗構成のようだ。数少なくても良いからおじさんが楽しめるような店(模型の店とか)があると良いと思った。