ファイナンシャルタイムズによると、年ベースに換算した車の販売台数で史上初めて中国がアメリカを抜いた。GMの推定によると、1月の車の販売実績をベースにした米国の今年の車の販売台数は9.8百万台。一方12月の販売実績をベースにした中国の販売台数は10.7百万台で、瞬間風速ながら中国が米国を抜いたことになる。
もっともGMやフォードは「1月はFleet向けの販売が減少したのが販売台数減少の原因」としている。Fleetとは一般的には「艦隊」の意味だが、車に関しては自動車レンタル会社や官庁等大量に自動車を保有する組織を指す。Fleetはジャスト・イン・タイムに大量の受け渡しを求めるが、工場の稼動を止めていたデトロイトの自動車会社が注文に応えられなかったというのがGM達の言い分で、GMは「年間を通じては米国の自動車販売台数は中国を凌駕するだろう」と述べている。
1月は米国の自動車販売で1982年以降最悪の月になった。クライスラーの販売台数は55%、GMは49%、フォードは40%、トヨタは32%の減少した。デトロイト3社の販売台数は279千台で、ニューヨーク・タイムズはこれはGM1社の昨年9月の売上に等しいと述べている。
自動車メーカーにとって今年も厳しい年になりそうだ。特に2月17日に政府にリストラ・プランを提出しなければならないGM・クライスラーにとって、明るい絵が描けないだろうと他人事ながら気になるところだ。
それにしても車は日本でも売れない。昨日昔一緒に証券業務をやっていた連中と一献傾けた時聞いてみると、平均すれば10年以上同じ車に乗り続けている。先日自民党の細田幹事長が「普通に給料を貰っている皆さんが、消費をいたずらに減らすのは罪だ」とやや暴言を吐いていたが、私を含めて古い車を乗り続けている者の言い分は「まだ乗れるんだから買い換えないよ」ということになる。
今普通に給料を貰っていても、痛んだポートフォリオのことや先行きの不透明さを考えると「車の買い替えなど後回し」ということになるのだろう。