昨日(2月1日)米国ダウ指数は2年半ぶりに12,000ポイントを回復した。株価を牽引したのは、ファイザー、UPS、穀物最大手のアーチャー・ダニエル・ミッドランドの予想を上回る好決算だった。ファイザーの第4四半期の利益は前年同期の4倍近くまで急伸した。
ISM(供給管理協会)指数も60.8と2004年3月以降一番高い数値となり、市場の押し上げに貢献した。
前日には12月の消費支出が0.7%増加したというデータがリリースされていたが、これは所得の伸び(0.4%)を上回る勢いで市場予想を上回っていた。
市場が一番注目しているのは金曜日の雇用統計だが、木曜日の欧州中銀の金利決定会合も注目されている。
月曜日に欧州連合が発表した1月の消費者物価は年率換算2.4%上昇。これは欧州中銀のインフレターゲット2%を超えている。ある理事は先週輸入コモディティの価格上昇を反映するインフレはもはや無視できないと発言した。為替市場では中銀の動きを予想してユーロがドルに対して上昇した。
だが多くのアナリストは中銀が9月以前に、そして恐らくは来年までに、金利引き上げに動く勇気があるかどうか疑っている(ニューヨーク・タイムズによる)。
金利引き上げは、財政状況の悪いユーロ周辺国の金利負担をさらに重くするからだ。また欧州の資金需要は弱いし、失業率も金融危機以前の水準まで戻っていない。資金調達を欧州中銀に頼っている銀行も欧州のアキレス腱。
以上のような状況を考えると中銀は直ぐに金利引き上げに動くのではなく、口先で牽制するというのが大方の見方だ。
欧州はインフレ懸念が本格化する前に周辺国の債務問題の解決目処を立てなくてはならないだろう。2月の株式市場は好スタートを切ったが、色々な問題は残っている。