金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

鳩山の激しい菅批判、なんとも見苦しい

2011年02月18日 | 政治

昨日小沢元代表に近い16人の衆院議員が会派からの離脱を表明した民主党。この16名は比例代表で選ばれた議員で順位は下位だ。このまま行くと次の総選挙では当選確率の低い連中なので、一か八かのdeseperateな行動にでたと見るべきだろう。

同じ日の夜、鳩山前総理は大畠国土交通大臣や海江田経済産業大臣らグループの幹部と会談して「今の党は私が作った民主党ではない。菅首相がめちゃくちゃにしてしまった」と、菅総理による党運営を激しく非難した。

私は菅首相を支持するものではないが、相対的にいうと鳩山前首相よりはましだ。特に与謝野氏を経済財政政策担当相にすえて、財政再建やTPP参加に取り組もうとしている姿勢は評価できる。

前首相が現職の首相を激しく批判するのは、会社で言えば辞めた社長が現社長を酷評するのと同じだ。金融マンであれぼこのような会社に融資をする時は慎重になるものだ。欧米の洗練された民主主義国家でこのようなことがあるだろうか?例えばブッシュ前大統領が公然とオバマ大統領を批判するとか。いやこのようなことは日本でも余り見かけない。

現職の時、たとえ大功を上げたとしても、退けば後任を批判しないのがリーダーのあり方というものではないだろうか?まして日本の外交をメチャクチャにした「敗軍の将」である鳩山前首相に政治を語る資格はあるのだろうか?

鳩山氏の「米軍方便」発言を捉えて今日の日経新聞は「このような政治家が昨年6月まで首相を務めていたかと思うと、背筋が寒くなる」と筆誅を加えている。

それはそれとして小沢系の反旗で菅政権は窮地に陥った。24日から始まる「子ども手当」法案審議が一つの山になると思うが、政局に対する個人的な予測を述べてみよう。

菅政権として残された手段は「子ども手当」法案他幾つかの法案の大幅修正か廃案と差し替えに、自民党の協力を得て11年度予算案(暫定か?)と赤字国債法案を通すより方法はないだろう。自民党としても「責任与党」として、景気や金融秩序に大きな懸念を及ぼす予算案の不成立の引き金を引くことが国民の支持を得られるかどうか懸念するはずだ。

与謝野氏は財務省や経済産業省の信頼が高いので、水面下ではこのようなシナリオ作りが進んでいるのではないだろうか?

この場合当然年度明け早々に総選挙が予想される。その選挙では自民党・民主党が「責任政党」として「財政再建・消費税引き上げ・TPP参加」等について、ポピュリズムを排し、実行しなければならずかつ努力すれば実現可能なマニフェストをぶつけ合うことを期待したいものだ。

この過程で、小沢系議員や鳩山前首相のような「背筋が寒くなる」政治家を排除することができるのであれば、今日のpolitical mess(政治的混乱)もまた意味があることになるが果たしてそのようにモノゴトが進むかどうか・・・・は不明である。

コメント (4)
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