金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ヤフーのお陰でアクセス急増、一日だけでしたが。

2011年02月07日 | デジタル・インターネット

先週金曜日に大相撲の八百長問題を取り上げたエントリー(「八百長が恒常化していた可能性を否定できない」)を書いたところ、アクセスが急増したので、原因を調べたら、ヤフーニュースに転載されていたことが分かりました。

土曜日のアクセス数は日頃の3,4倍の6千件超でした。数年前米国の金融危機の前にサブプライム市場のことを書いたエントリーがヤフーに転載されたことがありますが、その時のアクセス数を上回ったと思います。サブプライムより大相撲の八百長問題の方に読者の関心が高かったのでしょうね。

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一番弱い政権が最大の課題を背負う皮肉な巡り合わせ

2011年02月07日 | 政治

菅政権は基盤の弱い政権である。参院では過半数を失っているし、地方選では連敗。党内には小沢派という分裂要因を抱え、与謝野馨氏に経済財政を委ねざるを得ないほど人材は払底している。鳩山政権の負の遺産により米国との関係はギクシャクしたままだ。「一番弱い」というのは、少し過激な表現かもしれないが、ここ10数年の間でもっとも弱い部類の政権であることは間違いないだろう。

だが世の中は皮肉なもので、この弱い政権が強かった小泉政権でさえ、回避してきた幾つかの大きな課題に挑戦せざるを得ない状況に陥っている。

エコノミスト誌は「勇敢か単なる向こう見ずか?」Bold,or plain reckless?というタイトルで菅政権の挑戦を取り上げていた。

菅政権の最初の挑戦は来年度予算だ。予算案そのものは、参院で否決されても、衆院で再可決すれば通すことができるが、赤字国債発行関連の法案等はそうはいかない。参院が否決すると予算を執行する手段がなくなってしまう。

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)については、米国は11月にハワイで予定されているAPECサミットで結論を出す予定だから、スタートが遅れている日本は6月までには結論を出さないといけない。

玄葉国家戦略相は今月26日から全国8ヶ所で対話集会「開国フォーラム」を始めて、貿易自由化に反対論が強い地方の理解を求めていく予定だ。TPP参加の問題の核心は農業改革の問題で、どれだけ農村の理解が得られるかが大きな問題だ。

また菅首相は消費税の引き上げ幅についても6月に目処を付けると公言している。消費税の引き上げを論じる時は社会保障の改革と一体で全体像を示すことが期待されている。

これほどの大改革を一代の内閣で担うことができるのか?という程課題は山積みだ。

1989年に3%の消費税を導入した竹下内閣は、消費税に対する反発やリクルート問題に対する反感から支持率が5%に低下して退陣に追い込まれた。消費税を5%に引き上げた橋本内閣はその後の参院選で惨敗し総辞職した。

つまり消費税を引き上げるだけで内閣はつぶれているから、菅内閣がTPP問題と消費税引き上げを同時にやろうとするのを見て「向こう見ず」というのも当然の印象だろう。

だが世界が変化の速度が、速く対応が遅れると取り返しのつかない損失を蒙る可能性がある。

国として重要な舵取りを迫られる時に「弱い内閣」を持ったことは一つの不幸だ。さらに今仮に総選挙を行なっても、国民から十分な支持を得られる内閣が発足する見込みが薄いことも次なる不幸だ。

私は民主党を支持する者ではないが、TPP参加と消費税引き上げという主張は正しい。それ以外に方法がないのである。もはや問題を先送りすることはできなくなっている。一番弱い内閣が先人の負債を一人で背負うというのはなんとも皮肉な話だが。

政治が麻痺しているのであれば国民投票で決めることを視野に入れるべきかもしれない・・・と私は考え始めている。

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