金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

中年登山者はテント泊を目指すべし

2012年09月03日 | 

他人様が小屋で泊まろうとテントで泊まろうとお好きなように!ということなのだが、敢えてお節介を焼くと、一晩でも山の中でテントで泊まると大部分の人はもっと山が好きになるだろう。

気の合った仲間と自分たちで飯を作り、酒を交わし、星空を観て、寝袋に入る。混雑時の山小屋のように一枚の布団を二人で分け合うこともなくゆっくりと眠ることができる。早く寝た翌朝は早く目が覚める。天気が良いと日の出を拝むことができる。

テント泊まりは良い、と思うひとときだ。

もう少し何故テント泊まりが良いか考えてみよう。「人の一生は重き荷を負いて遠き道を行くが如し」と述べたのは徳川家康だ(東照君遺訓の一説だが後世の人が作ったという説が有力)。

テント泊による山登りは「山での生活に必要不可欠なものだけを担いで登る」という行為で人生そのもののように味わい深い。「あれも欲しい、これも持って行こう」などと欲張ると、たちまち荷物が重くなりへばってしまう。

人は自分の力に見合ったものしか持てない、ということを実感する。当然不自由を感じることもあるが、家康の遺訓は「不自由を常と思えば不足なし」と教えている。

テント泊が良い、としても体力のピークを過ぎた中年がテント登山をする意味があるのだろうか?

私は次の点から意味があると考えている。

  • 自分のことは自分でする、という当たり前の生活ルールを徹底することができる。その結果家庭でワイフの負担が減り喜ばれる。
  • 料理に関心が高まり、家庭でも「今日は僕が飯を作ろうか」などということになりワイフに喜ばれる。
  • 中年も一定年齢を過ぎると時間的余裕は増えるが、経済的なゆとりは減る場合が多い。お金のかかる山小屋泊りよりテント泊まりを推薦する理由の一つだ。
  • 一方小屋泊まりより背負う荷物は増える。二泊三日の荷物は13,4kgになるが、日頃からトレーニングをしているとあまり苦にせずに背負うことができる重さだ。「テント泊をしよう」という目標を持ってトレーニングに励むなら、一石二鳥の効果がある。

以上のことから、中年登山者の方はテント泊をしてみましょう。テント代金等初期投資は少しかかりますが、数回で元が取れます。そして何よりも自然にふれる時間が増える分、山の楽しさが深まります。

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ギリシャのユーロ離脱の可能性は高まっている

2012年09月03日 | 金融

暑い8月が過ぎ、秋が近づいている。暑い夏の間、欧州市場は比較的落ち着いていたが、秋の到来とともにまたぞろギリシャなど南欧諸国の債務問題が注目を浴びている。通貨危機が始まった2年半前であれば、ギリシャのユーロ離脱を現実問題として考える人は少なかったが、現在ではかなりの人が現実に起こりうることとして考え始めている。

狼はやはり来そうなのだ。

FTはドイツなど欧州主要国で通貨危機問題について世論調査を行った。それによると、ドイツでは26%の人しかギリシャは債務を弁済できると考えていない。一方イタリアの人は77%、スペインの人は57%がギリシャは債務弁済をなしうると考えている。

またドイツ人の約半分はギリシャは経済改革を達成できないだろうと考えている。ギリシャへの資金援助の鍵を握るドイツ国民の4分の1しかギリシャはユーロ圏に留まりうると考えていないのであれば、ドイツにこれ以上のギリシャ支援を期待することは難しい。

時を同じくしてニューヨーク・タイムズには「米国大手企業はギリシャのユーロ離脱にそなえ準備を整えている」という記事が出ていた。記事によると例えばフォードは新しいギリシャの通過(新ドラクマ)に対応できるようにコンピュータ・システムを既に調整している。アドバイザリー会社のCorporate Executive Boardの今年の夏の調査によると、顧客の8割がギリシャのユーロ離脱を予測し、5分の1の顧客は他の国もギリシャに追随する可能性があると考えていた。

これらの大手企業はギリシャのユーロ離脱に備えてコンティンジェンシープランを作成しているが、それについて話をすることを避けている。欧州の顧客の怒りを買う可能性があるからだ。当然各国の中央銀行もドイツ財務省と同様水面下でギリシャの離脱の影響を考慮し対策を練っているはずだ。決壊する前のダムの水位が静かに上がるように、ギリシャのユーロ離脱の可能性は高まっている。そして予期せぬ大決壊を起こす前に整然とダムの一部を壊す日が来る、と私には感じられる。

そしてギリシャがユーロを離脱した時、通貨危機発生以降の2年半は、ギリシャのユーロ離脱のための合意形成とコンティンジェンシープランの準備期間だった、と後講釈を述べる人が増えるだろう。

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