登山における疲労度を推定する目安として、消費カロリーを考えてみることにしました。
http://hbb.amary-amary.com/calc_climb.phpというサイトに担ぐ荷物別の消費カロリーの計算が出ていました。
体重65kgの人が4.5~9.1kgの荷物(小屋泊りの荷物)を背負って1時間歩くと511Kcalのエネルギーを消費。同様に9.5~19.1kgで546Kcal、またロッククライミング1時間で750Kcalのエネルギーを消費します。
体重65kgの男性が時速7.2kmでジョギングする時1時間に消費するカロリーは491Kcalですから、小屋泊りの荷物を持って登山をするのとほぼ同様のエネルギー消費量だといえます。
8月初めに登った剱岳を例に消費カロリーを考えてみましょう。
剣山荘から剱岳頂上までは、沿面距離1.95km、累積高度577mで、「北アルプス テントを背中に山の旅へ」のコースタイムを見ると3時間でしたが、私達の所要時間は3時間40分でした。これは登山者が多く鎖場での待ち時間が多かったことが遅れの第一の原因でした。また下りはコースタイム2時間20分に対して所要時間は3時間でした。
一般道である剱岳の鎖場でどれ位カロリーを消費するか不明ですが、仮にロッククライミングより少し少ない700Kcal/時間とします。また岩場を登り下りしている時間を片道1時間とします。コースタイムベースで剣山荘から剱岳を往復するのに要するカロリー数を計算すると、511Kcal×3時間20分+700Kcal×2時間=3,100Kcalとなります。これは時速7.2kmで6時間20分ジョギングするか、または時速9.6kmで4時間40分ジョギング(距離にするとフルマラソンより少し長い距離を走る)のと同程度のエネルギーを消費します。
我々は剱岳を登頂した後、剣御前小屋を越えて雷鳥沢まで下山しました。その所要時間が3時間半で消費カロリーは1,788Kcal。この日の計算上の消費カリーは約5千Kcalでした。実際はこれに炎天下の待ち時間が加わるので、もう少し消費カロリーは大きかったと思います。
同じようなカロリー計算を「種池小屋キャンプ場からの鹿島槍ヶ岳往復」について行うと約4千Kcalでした。剱岳往復に較べて、鹿島槍ヶ岳往復は楽勝でした。第一の要因は気温が低いことだと思いますが、1千Kcalの消費エネルギーの差も大きいでしょう。一日の消費カロリーが5千カロリーを超えると、中々の登山です。
消費カロリーを少なくするのが、山でバテないコツです。そのためには「体重を軽くする」「荷物を軽くする」「岩場での消費カロリーを減らす(足を中心に登り、腕力に頼らない)」ことがポイントです。ただし分かっているけれど中々減らないのが体重ですね。