金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

沢の楽園・赤木沢を登る(2)~赤木沢遡行

2014年09月16日 | 

9月14日日曜日晴後曇り。4時半起床、コーヒーを沸かしてパンを食べて5時35分に入渓。小屋で頂いた朝食(弁当)は昼飯に回した。この日事前に確認しただけでも4組が赤木沢に入った。しばらく黒部川の左岸(向かって右側)の河原を歩いてから渡渉して右岸に渡った。膝上位の渡渉。私はダブルストックを使ったが有効だった。7時赤木沢出会い。

Kurobehonnryuu1

「ナイヤガラの滝」とよばれる小さな滝が黒部川にかかっている。赤木沢はこの右手から黒部川に入っている。赤木沢出会いまでには渡渉と腰までつかる岩壁沿いの「へつり」で最短コースを歩いてきた。久しぶりの大きな沢登りだが、昔取った杵柄でルートファインディングの勘だけはしっかりしていると密かに自分で感心する。

赤木沢へは左岸の踏み跡を登って簡単に入ることができた。

Akagisawaf1

赤木沢に入るとすぐ滝が迎えてくれた。階段状の滝は簡単に登ることができ気持ちが良い。

Akaisawaf11

この日は入渓した他の3組と前後しながら赤木沢を楽しんだ。

赤木沢の滝はほぼ全部直登することができるが一ヶ所左岸を小さく巻くところがある。

Akagisawa8

ここもルートは明瞭だ。なお私たちは胸までつかって取り次いだ滝があったが、他のパーティは左岸を捲いていた。

9時7分大滝下到着。一休みして左岸の高捲きルートを登り始めた。途中大きく足を上げないと越えられない岩があり、グズグズして後続の人に迷惑をかけてはいけないと思い若い3人組に道を譲った。「俺も若い時には利根川源流の大滝をトップでスラスラ登ったのになぁ」などと思いながら。

Ootaki

捲き道から大滝の落ち口までは簡単なトラバース。

大滝を過ぎると右から一本沢が入ってくる。これを見送るとまた右から沢が小滝となって入ってくる。滝になって入るということは「略奪」されているので、略樽している方が本流ということになる。つまり左手の沢が本流でこれをたどると赤木岳の南側にある中俣乗越に向かうことになる。ガイドブックの中にはこのルートを推奨するものもあるが、突き上げ点が低い上太郎平には遠くなるので、我々は小滝を登って右手の沢に入った。右手の沢はまた二股に分れた。これも右股を登った。私の頭の中ではここは左股を登るつもりだったが、後から登ってきた他のパーティの赤木沢経験者の話ではこちらのルートが太郎平に向かう最短コースというのでそれに従うことにした。

Akaigisawamap_2

上の地図は私が登ったGPSの軌跡だ。結果的には赤木岳に直登するベストルートを登っていた(我々は赤木岳頂上を割愛して北側のコルにでた)。11時35分稜線到着。薬師沢小屋を出てちょうど6時間だった。途中でイワナ釣り遊び(釣果ゼロ)などをしていたことを思うとまずまずのペースだった。

赤木沢のツメは草原で藪漕ぎはゼロ。実に気持ちの良いフィナーレだった。

Akagisawa1

だが北ノ股岳を越えて太郎平に向かう道は長い。

Yakusidake

薬師岳を見ながら緩やかな稜線をひたすら歩いた。

14時太郎小屋到着。途中携帯電話のつながる場所から平湯温泉に電話をして今夜の宿を確保。16時30分折立到着。こうして11時間にわたる赤木沢遡行・下山は無事終了した。

 

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沢の楽園・赤木沢を登る(1)~折立から薬師沢小屋

2014年09月16日 | 

赤木沢は沢登り愛好家にとって一度は登りたい沢だ。沢は明るくほぼ総ての滝を直登することができる。藪漕ぎもなくすっきりと北アルプスの稜線に立つことができるのだ。

ただ赤木沢のアプローチは長い。一番近い起点の折立まで入るのに東京からはほぼ一日かかるので、中々入る機会がなかった。だがついにこの3連休に大学山岳部の後輩のKさんとスケジュールが合ったので、赤木沢に入る機会が巡ってきた。

9月13日土曜日。9時にKさんをJR東秋留駅でピックアップ。圏央道で中央自動車道を目指したが、ジャンクションから混み合っているのを見て、瞬時に方向転換して関越道経由で松本に向かった。こちらは目立った混雑はなかった。午後5時登山口の折立到着。途中栃尾のJAスーパーで仕込んだ焼肉を食べて、テントに泊まった。夕刻小雨。

9月14日日曜日晴。7時に折立登山口を出発。

Parking

駐車場から溢れた車が路上駐車して目の子約100台の車が停まっていた。他に臨時駐車場もあるから大変な数の人がここから薬師岳方面に向かっているのだ。

登り始めて1時間40分、樹林帯の急登を過ぎて、広々とした尾根筋に出た。振り返ると有峰湖が見える。

Sakai2

10時57分 太郎平の手前でライチョウのつがいを見た。

Thunderbird1

ライチョウのお腹の羽根毛は白くなっていた。冬支度が始まっているのだ。

11時5分 太郎平小屋到着。風が冷たい。アウターを着こんで昼食。11時53分今夜の宿の薬師沢小屋に向けて出発。13時44分薬師沢小屋到着。

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一休みの後、Kさんが持参した渓流竿を持って小屋の前の黒部川に向かった。

Sakaituri_2

しかし釣果はゼロ。あたりもなかった。エサ(行動食の残りのハムといういい加減さ)が悪いのか、腕が悪いのか、時間帯が悪いのか、あるいは総てが悪いのか。

小屋に戻ってビールを飲みながら、戻ってきたアングラーたちの話を聞くと釣専門家でも今日は釣れなかったとのこと。羽虫が多くイワナは生エサは食べないなど専門的知見が繰り広げられた。

「ハムで挑戦しました」とKさんがいうと、二人の釣り人が憐れんで?「明日は私たちは帰るから使わないイクラをあげるよ」とイクラをめぐんでくれた。

Kさんが夕食後シコシコと釣の仕掛けに手を入れる傍ら私は黒部の沢音を聞きながら早くも寝入っていた。

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