9月14日日曜日晴後曇り。4時半起床、コーヒーを沸かしてパンを食べて5時35分に入渓。小屋で頂いた朝食(弁当)は昼飯に回した。この日事前に確認しただけでも4組が赤木沢に入った。しばらく黒部川の左岸(向かって右側)の河原を歩いてから渡渉して右岸に渡った。膝上位の渡渉。私はダブルストックを使ったが有効だった。7時赤木沢出会い。
「ナイヤガラの滝」とよばれる小さな滝が黒部川にかかっている。赤木沢はこの右手から黒部川に入っている。赤木沢出会いまでには渡渉と腰までつかる岩壁沿いの「へつり」で最短コースを歩いてきた。久しぶりの大きな沢登りだが、昔取った杵柄でルートファインディングの勘だけはしっかりしていると密かに自分で感心する。
赤木沢へは左岸の踏み跡を登って簡単に入ることができた。
赤木沢に入るとすぐ滝が迎えてくれた。階段状の滝は簡単に登ることができ気持ちが良い。
この日は入渓した他の3組と前後しながら赤木沢を楽しんだ。
赤木沢の滝はほぼ全部直登することができるが一ヶ所左岸を小さく巻くところがある。
ここもルートは明瞭だ。なお私たちは胸までつかって取り次いだ滝があったが、他のパーティは左岸を捲いていた。
9時7分大滝下到着。一休みして左岸の高捲きルートを登り始めた。途中大きく足を上げないと越えられない岩があり、グズグズして後続の人に迷惑をかけてはいけないと思い若い3人組に道を譲った。「俺も若い時には利根川源流の大滝をトップでスラスラ登ったのになぁ」などと思いながら。
捲き道から大滝の落ち口までは簡単なトラバース。
大滝を過ぎると右から一本沢が入ってくる。これを見送るとまた右から沢が小滝となって入ってくる。滝になって入るということは「略奪」されているので、略樽している方が本流ということになる。つまり左手の沢が本流でこれをたどると赤木岳の南側にある中俣乗越に向かうことになる。ガイドブックの中にはこのルートを推奨するものもあるが、突き上げ点が低い上太郎平には遠くなるので、我々は小滝を登って右手の沢に入った。右手の沢はまた二股に分れた。これも右股を登った。私の頭の中ではここは左股を登るつもりだったが、後から登ってきた他のパーティの赤木沢経験者の話ではこちらのルートが太郎平に向かう最短コースというのでそれに従うことにした。
上の地図は私が登ったGPSの軌跡だ。結果的には赤木岳に直登するベストルートを登っていた(我々は赤木岳頂上を割愛して北側のコルにでた)。11時35分稜線到着。薬師沢小屋を出てちょうど6時間だった。途中でイワナ釣り遊び(釣果ゼロ)などをしていたことを思うとまずまずのペースだった。
赤木沢のツメは草原で藪漕ぎはゼロ。実に気持ちの良いフィナーレだった。
だが北ノ股岳を越えて太郎平に向かう道は長い。
薬師岳を見ながら緩やかな稜線をひたすら歩いた。
14時太郎小屋到着。途中携帯電話のつながる場所から平湯温泉に電話をして今夜の宿を確保。16時30分折立到着。こうして11時間にわたる赤木沢遡行・下山は無事終了した。